『シャルリとは誰か?』(エマニュエル・トッド 堀茂樹訳)
電子書籍

シャルリとは誰か?

人種差別と没落する西欧

価格:※各書店サイトで確認してください
発売日2016年02月05日
ジャンル政治・経済・ビジネス
コード1666105400000000000L

イスラム恐怖症と壊れつつあるヨーロッパの病理

『シャルリとは誰か?』で私はフランス社会の危機を分析しましたが、11月13日の出来事〔パリISテロ〕は、私の分析の正しさを悲劇的な形で証明し、結論部の悲観的な将来予測も悲しいことに正しさが立証されてしまいました――「日本の読者へ」でトッド氏はこう述べています。
本書が扱うのは昨年一月にパリで起きた『シャルリ・エブド』襲撃事件自体ではなく、事件後に行なわれた大規模デモの方です。「表現の自由」を掲げた「私はシャルリ」デモは、実は自己欺瞞的で無意識に排外主義的であることを統計や地図を駆使して証明しています。
ここで明らかにされるのはフランス社会の危機。西欧先進国にも共通する危機で、欧州が内側から崩壊しつつあることに警鐘を鳴らしています。ユーロ、自由貿易、緊縮財政による格差拡大と排外主義の結びつきは、ベストセラー『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』にも通じるテーマで、前著の議論がより精緻に展開されています。

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担当編集者より

「表現の自由」を掲げた「私はシャルリ」デモが実は偽善的で排外主義的であったことを明らかにする本書が問題にしているのは、一見、ソフトな言辞を弄しながら、自由貿易、緊縮財政、格差拡大を容認し、自分より下層の人々を無視して社会を支配している、高学歴で自称「反体制派」である中産階級の自己欺瞞です。「この本を書いたのは、自分の属する社会の現状に苛立ったひとりのフランス人です」という激しい義憤に駆られ、仏国内のメディアをすべて敵に回わす危険を顧みずに書かれた本書は、高度な学問的著作であると同時に著者渾身の歴史的傑作と言える一冊です。〈附〉パリISテロについての特別寄稿

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