近年SNSで語られる機会が増え、SDGsの観点からも議論されることの多いフェミニズム。
とはいえ、フェミニズムという言葉を耳にして人が想起するものは、世代によっても、生まれ育った環境によっても様々かもしれません。
男女平等を主張して、パートナーに育児と家事の分担を求めること?
理不尽な社会の仕組みに思いの丈を主張すること?
いえいえ、それだけではフェミニズムではありません。
では、そもそもフェミニズムとは……?
私にとっての「女性であるという経験」は、他の女性たちと同じとは限りません。でも、家事や育児を抱えて働く女性も、非正規雇用で働くシングルマザーも、法的に関係性が認められず壁を感じるレズビアンカップルも、女性として仕事をすることが阻まれているトランスの女性にも分け隔てなく、フェミニズムは「あらゆる女性たち」のものである。
その視点に立って、コロナ禍でも注目されたケア(無償労働)の問題、女性リーダーに見られる次世代リーダーシップ、古くて新しい性や生殖や性暴力の問題、同性婚をはじめとする結婚制度や、子どもたちのためのヘルシーな性教育、教育の男女平等問題、さらには求められる「インターセクショナル」な視点まで。時代の大きな転換点に知っておきたい「フェミニズム」の諸問題にフォーカス。
性差別のない21世紀を実現するために。
ありそうでなかった老若男女必携の、フェミニズムをめぐる一冊です。
※写真家・長島有里枝、スポーツ学者・井谷聡子、作家・李琴峰との対談も収録。
Ⅰ:フェミニズムの歴史を学ぶ
フェミニズムって何ですか?
フェミニズムの四つの波――フランケンシュタインから#Me Tooまで
フェミニズムにおける、性と生殖という”難題”
「個人の自由」の真の意味を、フェミニズムは問い続ける
フェミニズムにも「インターセクショナル」な視点が必要な理由
フェミニズムに救われた二人の対話 清水晶子×長島有里枝
Ⅱ:フェミニズムの現在
現代カルチャーシーンとフェミニズム ドラマが教えてくれること
女性リーダーに見る次世代リーダーシップのあり方
性暴力を正しく理解するために
なぜ”ケア”は黙殺されてきたのか
真にヘルシーな性教育とは
問題山積、でも知るべき「結婚の不都合な真実」
スポーツにおけるセクシズム 清水晶子×井谷聡子
Ⅲ:古くて新しいフェミニズムのまなざし
セックスワークはフェミニズムをどう捉えるか
フェミニズムから教育の多様性を考える
フェミニズムは「中絶」をどう捉えるか
「性」を支配するのは誰なのか
自立と”家族”をめぐって
小説で性への違和を描くこと 清水晶子×李琴峰
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