闇の世界の仕掛人の道を歩み始める男とその男に父を斬殺された娘。悪夢のような一瞬が決めた二人の運命をしみじみと描く時代長篇
江戸で父の敵を探しつづける浪人・堀辰蔵は、空腹のあまり逆上し、煙管師を斬殺してしまう。父と二人暮らしだった煙管師の娘・お道は天涯孤独となった。近隣の人々に見守られながら気丈に生きていくお道と、闇の世界の仕掛人となった辰蔵の凄絶な半生。二人の運命のふしぎなもつれあいを円熟の筆で描いた名品。解説・重金敦之
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