亡き父親の借財を抱えた大学生、井領哲之。彼の部屋の柱に釘づけにされた蜥蜴(とかげ)のキン。人生の苦悩と情熱を描いた青春文学の金字塔
亡き父の借財を抱えた大学生、井領哲之。大阪にあるホテルでのアルバイトに勤(いそ)しむ彼の部屋には、釘で柱に打ちつけられても生きている蜥蝪(とかげ)の「キン」がいる——。可憐な恋人とともに、人生を真摯に生きようとする哲之の憂鬱や苦悩、そして情熱を1年の移ろいのなかにえがく、青春文学の輝かしい収穫。解説・菅野昭正
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