日本橋佐内町で夫婦水入らずで暮らす伊三次とお文。稼業の髪結いと捕物に明け暮れる中、やがてお文が出産の日を迎えた。全六篇
お文は身重を隠し、年末年始はかきいれ刻とお座敷を続けていた。所帯を持って裏店から一軒家へ移った伊三次だが、懐に余裕のないせいか、ふと侘しさを感じ、回向院の富突きに賭けてみる。お文の子は逆子と分かり心配事が増えた。伊三次を巡るわけありの人々の幸せを願わずにいられない、人気シリーズ第五弾。解説・竹添敦子
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