大宅賞、早稲田ジャーナリズム大賞を受賞した名著が、ついに文庫化されます!
広島平和記念公園の片隅に、土饅頭と呼ばれる原爆供養塔がある。
かつて、いつも黒い服を着て清掃する「ヒロシマの大母さん」と呼ばれる佐伯敏子の
姿があった。なぜ、佐伯は供養塔の守り人となったのか。また、供養塔にまつられている
被爆者の遺骨は名前や住所が判明していながら、なぜ無縁仏なのか。
「知ってしまった人間として、知らんふりはできんのよ」
佐伯敏子の言葉を胸に取材を丹念に重ねるうちに、埋もれていた重大な新事実が
判明していく――。
引き取り手なき遺骨の謎を追うノンフィクション。
文庫版では、単行本が出てからの供養塔にまつわる動きなど、著者の書きおろしもたっぷり加えて、新しい写真も追加しました。
日本人必読です!
解説・平松洋子
〈目次より〉
第一章 慰霊の場
第二章 佐伯敏子の足跡
第三章 運命の日
第四章 原爆供養塔とともに
第五章 残された遺骨
第六章 納骨名簿の謎
第七章 二つの名前
第八章 生きていた〝死者″
第九章 魂は故郷に
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