よっ、十一代目! 鎌倉河岸捕物控<二十二の巻>
佐伯泰英
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薬種問屋では半年前から高価な薬種がなくなるのだが……
江戸にうだるような夏がきた。金座裏の十代目の政次には間もなく子どもが生まれ、売れっ子船頭の彦四郎は子連れのお駒と所帯をもつという。“むじな長屋の三兄弟”の変化に、末弟・亮吉の心中は穏やかではない。
そんななか金座裏は唐和薬種問屋から相談をもちかけられていた。半年前から朝鮮人参、伽羅など高価な薬種がなくなるのだが、外から人が入った気配はない。店の身内が盗みを働いているのではと旦那と番頭は疑っている。
あまり顔が知られていない手下の弥一と広吉が奉公人として問屋に入って内情を探っていくと、仕入に来る薬売りの中に怪しい動きをする者がいて……。
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