頼みある仲の酒宴かな

縮尻鏡三郎

1,760 (税込)
発売日2014年02月27日
ジャンル歴史・時代小説
商品情報
書名(カナ) タノミアルナカノシュエンカナ シクジリキョウザブロウ
ページ数 344ページ
判型・造本・装丁 四六判 上製 上製カバー装
初版奥付日 2014年03月01日
ISBN 978-4-16-390021-6
Cコード 0093

老婆の戯言が、大名家をゆるがす思わぬ騒動へ

老婆の戯言が、大名家をゆるがす思わぬ騒動へ

日本橋の大店・白木屋の身代が、わが物だと鏡三郎に掛けあう老婆。そして同居する謎の腕利きの浪人の正体とは。人気シリーズ第八弾。


とある夏の夜、木挽町の医者・宮田玄庵のもとに、石州浪人矢吹栄五郎と名乗る浪人がやって来た。見れば、右腕に刀傷を負っている。本道(内科)の医者である玄庵は、面倒な依頼を断る口実にと、請人(保証人)がいなけば治療はせぬと申し渡すと、矢吹は「薄情な医者だ」と言い残し、矢吹は余所へと出て行った。ほどなく、玄庵も、矢吹のあげた請人も実在せず、矢吹の名も騙りであったことが明らかになる。翌朝、木挽町からほど近い采女が原で侍の殺しがあり、殺された侍は、正面から真っ二つ。相手は相当な使い手と知れたが、江戸に事件はつきもの。やがて事件は忘れられた。
それから一年。御家人としての出世街道をしくじり、大番屋元締となって市井の揉め事解決に奔走する拝郷鏡三郎のいる「大番屋」に、医師木村道庵の娘で、柴田帯刀という浪人と同居している「ため」という老婆が訪ねてきた。聞けば、江戸で一二を争う、呉服屋の大店、白木屋の土地は、我が家のものであるという。当然、白木屋は相手にしないのだが、木村家には、白木屋の土地が、江戸開府以来、木村家代々の持ち物である証拠となる、権現様(家康)より下賜されたゆかりの品々があるという。話半分に聞いていた鏡三郎だったが、やがて、どこからか白木屋の土地の一件を報じるかわら版がばらまかれ、騒ぎが起こる。だが、そのさなかに、ためが寿命でぽっくりいってしまった。同居していた柴田は、白木屋の本家がある上方へと向かったという。鏡三郎の元を出入りする北の臨時廻り梶川は、柴田の身上を洗い、一年前の采女が原の一件に、柴田が絡んでいると見当を付けるのだが……。そして、物語は、譜代大名三家の内情を巻き込んだ意外な方向へ。

担当編集者より

佐藤雅美さんの「縮尻鏡三郎」シリーズ最新作は、江戸の大店・白木屋の地面がうちが代々貸していたと言い張る老婆が登場。当然だれも相手にせず、大番屋の鏡三郎の元へと持ち込まれます。話半分に聞く鏡三郎ですが、その背後に、丹州浪人の柴田帯刀の影が。廻り同心の梶川は、帯刀が一年前の采女が原の殺しの下手人と疑い、調べ始めると物語は、譜代大名三家の内情を巻き込んだ意外な方向へ……。佐藤さんならではの展開の妙と、文章の心地よさを、今回も十二分にご堪能いただける一作です。ぜひお楽しみください。

感想を送る

本書をお読みになったご意見・ご感想をお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社ウェブサイト、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただく場合がございます。

※いただいた内容へのご返信は致しかねますのでご了承ください。
※ご意見・ご感想以外は、こちらから各部門にお送りください。

メディア関係者・図書館の皆様

表紙画像のダウンロード

ご希望のデータがダウンロードできない場合や、著者インタビューのご依頼、その他の本の紹介に関するお問合せは、直接プロモーション部へご連絡ください。

雑誌・書籍の内容に関するご意見、書籍・記事・写真等の転載、朗読、二次利用などに関するお問合せ、その他については「文藝春秋へのお問合せ」をご覧ください。

書店在庫

頼みある仲の酒宴かな

縮尻鏡三郎

1,760 (税込)
発売日2014年02月27日
ジャンル歴史・時代小説
商品情報
書名(カナ) タノミアルナカノシュエンカナ シクジリキョウザブロウ
ページ数 344ページ
判型・造本・装丁 四六判 上製 上製カバー装
初版奥付日 2014年03月01日
ISBN 978-4-16-390021-6
Cコード 0093
試し読み
書店在庫

Rankingランキング

全て見る

Eventイベント

最新イベント

一覧を見る
【著者来日決定】翻訳ミステリー大賞&ファルコン賞W受賞の『台北プライベートアイ』作者・紀蔚然によるイベント開催!
【著者来日決定】翻訳ミステリー大賞&ファルコン賞W受賞の『台北プライベートアイ』作者・紀蔚然によるイベント開催!
【先着50名】新刊『黄昏のために』刊行記念 北方謙三さんサイン会を八重洲ブックセンターグランスタ八重洲店で開催
【先着50名】新刊『黄昏のために』刊行記念 北方謙三さんサイン会を八重洲ブックセンターグランスタ八重洲店で開催
今村翔吾さん『海を破る者』刊行記念 三省堂書店有楽町店サイン会のおしらせ
今村翔吾さん『海を破る者』刊行記念 三省堂書店有楽町店サイン会のおしらせ
吉永南央「紅雲町珈琲屋こよみシリーズ」特設サイト 米国を代表する作家、スティーヴン・キングの特設サイト 阿部智里「八咫烏シリーズ」特設サイト 文春文庫は50年を迎えました! 特設サイト 文春文庫 50周年×「陰陽師0」「文春文庫 50th 時を超える名作フェア」 全国主要書店にて開催中! 佐伯泰英特設サイト