サイレントシンガー 小川洋子

1,980 (税込)
発売日2025年06月20日
ジャンル小説
商品情報
書名(かな) さいれんとしんがー
ページ数 296ページ
判型・造本・装丁 四六判 上製 上製カバー装
初版奥付日 2025年06月30日
ISBN 978-4-16-391991-1
Cコード 0093
試し読み
書店在庫
ネット書店で購入

サイレントシンガー 小川洋子

1,980 (税込)
発売日2025年06月20日
ジャンル小説
商品情報
書名(かな) さいれんとしんがー
ページ数 296ページ
判型・造本・装丁 四六判 上製 上製カバー装
初版奥付日 2025年06月30日
ISBN 978-4-16-391991-1
Cコード 0093

著者6年ぶり、待望の長篇小説

著者6年ぶり、世界が待ち望んだ長篇小説400枚。

内気な人々が集まって暮らすその土地は、“アカシアの野辺”と名付けられていた。野辺の人々は沈黙を愛し、十本の指を駆使した指言葉でつつましく会話した。リリカもまた、言葉を話す前に指言葉を覚えた。たった一つの舌よりも、二つの目と十本の指の方がずっと多くのことを語れるのだ。
やがてリリカは歌うことを覚える。彼女の歌は、どこまでも素直で、これみよがしでなく、いつ始まったかもわからないくらいにもかかわらず、なぜか、鼓膜に深く染み込む生気をたたえていた。この不思議な歌声が、リリカの人生を動かし始める。歌声の力が、さまざまな人と引き合わせ、野辺の外へ連れ出し、そして恋にも巡り合わせる。果たして、リリカの歌はどこへと向かっていくのか?
名手の卓越した筆は、沈黙と歌声を互いに抱き留め合わせる。叙情あふるる静かな傑作。

n-bunaさん(ヨルシカ)絶賛!
<おもちゃから流れる歌声、アシカショーのアシカの歌声、シンガーの為の仮歌、そして夕方に流れる家路。何者でもない、何処にもクレジットされることのない彼女の歌声は、決して聞く人を選ばない。それは誰もが何者かに成ろうとする今の社会において、本当は必要だった優しさなのかもしれない。>
 


サイレントシンガー

担当編集者より

  小川洋子さんの長篇小説を私たちは6年の間、待ちました。
 『サイレントシンガー』で著者が到達した場所はこれまでの数々の名作たちとはどこか違うような気がします。
 この物語は小川さんによって語られるのではなく、誰も知らない場所から発生して小川洋子さんの身体を通り抜け、遥かな高みへと通り抜けていってしまった気がしています。
 主人公はリリカでもあり、”アカシアの野辺”の人々であり、またおばあさんであり、あるいは死者であり、羊でもあるでしょう。
  本作のページを捲っていくと読者の皆さまの心にある痕跡を残していくと思います。編集作業をしている期間、私は何度かこの小説の場面に迷い込んでしまっている夢を見ました。そこで聴いたことのない歌を聴き、また絶対的な沈黙を通り抜けました。その途上には経験したことがない痛みもありました。痛みと慰めは同時に到来するのかもしれません。
 本書を手に取ってくださる皆さまも、未知の場所を訪れることを覚悟してくださるように希望いたします。

感想を送る

本書をお読みになったご意見・ご感想をお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社ウェブサイト、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただく場合がございます。

※いただいた内容へのご返信は致しかねますのでご了承ください。
※ご意見・ご感想以外は、こちらから各部門にお送りください。

メディア関係者・図書館の皆様

表紙画像のダウンロード

雑誌・書籍の内容に関するご意見、書籍・記事・写真等の転載、朗読、二次利用などに関するお問合せ、その他については「文藝春秋へのお問合せ」をご覧ください。

書店在庫
ネット書店で購入
佐伯泰英特設サイト 吉永南央「紅雲町珈琲屋こよみシリーズ」特設サイト 阿部智里「八咫烏シリーズ」特設サイト 2024 文春文庫 秋100ベストセレクション 文春文庫は50年を迎えました! 特設サイト 米国を代表する作家、スティーヴン・キングの特設サイト