書名(カナ) | ニッポンカブシキガイシャノコモンベンゴシ ムラセジロウノフタツノソコク |
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ページ数 | 208ページ |
判型・造本・装丁 | 新書判 |
初版奥付日 | 2017年08月20日 |
ISBN | 978-4-16-661131-7 |
Cコード | 0295 |
2016年末、米国新大統領に当選したトランプ氏と安倍総理がニューヨークのトランプ・タワーで電撃会見し、大きなニュースとなった。この会見で安倍総理をアテンドしたのが、安倍家と親しい米国弁護士の村瀬悟氏。悟氏は、米国の有名弁護士事務所のパートナーを務める日系人3世だ。
村瀬家は、米国の日系人サークルの中でも特別な地位を占める。そのルーツは、悟氏の祖父に遡る。悟氏の祖父は、軍医として日露戦争で活躍するも、日本の医学のレベルの低さを知り、米ニューヨークのメディカル・スクールに留学。現地で開業する。ここから、日系人・村瀬家が始まる。
そしてニューヨークで誕生したのが、本書の主人公、村瀬二郎氏だ。二郎氏は、日系2世として米国で育つが、「大和魂を忘れるな」という父の方針で中学のとき日本に帰国。しかし、旧制芦屋中学在学中に太平洋戦争が始まる。立派な軍国少年へと成長した二郎氏だが、国籍の問題は常に二郎氏を悩ませる。そして戦争が終わり、米国に戻ると、今度は米国陸軍への徴兵が待っていた……。
青春時代に戦争にぶつかり、「二つの祖国」の狭間で悩み、苦しんだ二郎氏は、その後、アメリカで弁護士になるが、こんどは日米貿易摩擦の矢面に立たされる。「戦争前夜」とまでいわれた日米関係の悪化。そのとき、二郎氏は日本のために、摩擦解消に陰に日向に尽力する。
激動の20世紀に「二つの祖国」を生き抜いた男は、「大和魂」と「アメリカンスピリッツ」の狭間で何を考え、どう行動したのか。
「堤清二『最後の肉声』」(「文藝春秋」掲載)で2016年(第47回)大宅壮一ノンフィクション賞(雑誌部門)を受賞した筆者の受賞第一作の大型評伝!
プロローグ
第一章 日系人・村瀬家のはじまり
・ニューヨーク日本人会の顔役
・小栗家の人々
・移民排斥のアメリカ
・ニューヨークでの開業
・排日移民法
・野口英世との親交
第二章 日本での少年時代
・二郎、日本へ渡る
・「村瀬の目は青かった」
・熱心に覚えた軍歌
・こっそりなめた「角瓶」
・二重国籍
・「二つの祖国」
・「これで死なないですむ」
第三章 アメリカで弁護士になる
・アメリカ陸軍に徴兵される
・弁護士を目指す
・妻・由枝と出会う
・盛田昭夫と出会う
・日本車輸出に関わる
・日本企業とともに成長
・独立
第四章 級友との再会
・成功
・級友に差し伸べた手
・「俺は大和魂や」
・「大和魂」と「公正さ」
・「マイ・ジャパニーズ・イングリッシュ」
第五章 通商摩擦の中で
・「戦争」だった繊維摩擦
・〝ミスター通産省〟を育てる
・バックチャンネルが機能した瞬間
・最後まで面倒を見た
第六章 驕る日本への不安
・『ジャパン・アズ・ナンバーワン』の時代
・ジャーナリストに見せた〝怒り〟
・ロビイストの使い方に苦言
・迷走した東芝ココム事件
・現地社員の手紙作戦
・国防総省の〝ヨーダ〟との親交
・二つのタカタ事件
最終章 次世代へつないだ思い
・阿川尚之の見た村瀬
・安倍家との二代にわたる約束
・次世代へ遺したもの
エピローグ
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