書名(カナ) | ドクサイノチュウゴクゲンダイシ モウタクトウカラシュウキンペイマデ |
---|---|
ページ数 | 224ページ |
判型・造本・装丁 | 新書判 |
初版奥付日 | 2019年02月20日 |
ISBN | 978-4-16-661206-2 |
Cコード | 0295 |
1949年、毛沢東は北京の天安門で中華人民共和国の建国を宣言しました。2019年はそれからちょうど70年になります。
朝鮮戦争、ソ連との大躍進と飢餓による死、文化大革命、米中国交回復、天安門事件――。農村部で勢力を蓄えた共産党が中国全土を支配し、GDP第二位の「超大国」となるまで、この国の歴史はまさに巨大なトラブルの連続だったといえます。そして今でも、一党独裁体制、民族弾圧、さらには都市と農村の格差といった矛盾を抱えています。
その源はどこにあるのか? そこで鍵となるのは、やはり建国以来この国に君臨した毛沢東でしょう。独裁も不平等も国民監視システムも民族紛争も、毛沢東の作り上げてきたものの延長上にあるといえます。
では「中華人民共和国」というシステムはどのようなものなのか? それを理解するには中国内部だけではなく、世界史的な視点が必要になります。
習近平は、まさに文革世代。毛沢東的独裁の申し子ともいえる存在です。これから中国がどこに向かっていくのかを知るためにも、この70年の歴史を振り返り、その内在論理を解明する必要がある。
2019年の世界を読み解くのに必須の一冊。
序章 中国共産党という組織
第一章国民党と共産党 コミンテルンが生んだ双生児
第二章毛沢東の“国盗り”戦術
第三章 中華人民共和国の誕生
第四章 大躍進 史上最大の災厄
第五章 世界史から見た文化大革命
第六章 新たな独裁者鄧小平
第七章 習近平 引き継がれる独裁の系譜
序章 中国共産党という組織
「人民に奉仕」しない中国の官僚/「王朝」と「中国型社会主義」のハイブリッド
中国共産党を「政党」と思ってはいけない/中国人は「単位」に生きている
戸籍制度による差別/共産党員になるには/「心をさらけだして党に渡す」
野党の幹部が秘密党員だった/「党の軍隊」人民解放軍/「民兵」に気をつけろ
第一章国民党と共産党 コミンテルンが生んだ双生児
国際的に有名な革命家として/清朝を裏返す/五族共和に隠された本音
誰にでも迎合する孫文/コミンテルンへの接近/共産党員が国民党の幹部に
「知識人の党」からの変身
第二章毛沢東の“国盗り”戦術
山賊とゴロツキ/長征は「長逃」だった/共産党はいかにして力を蓄えたか
モンゴルを抱き込む/国民党に寄生して/抗日神話のウソ
第三章 中華人民共和国の誕生
満州という“プレゼント”/「農村から都市を包囲する」/中国を更地にする
地主を殺して土地改革/自由を奪う農村戸籍制度/スターリンから冷遇される
朝鮮戦争に参戦/派兵に反対した林彪/スターリン死去の衝撃
スターリン批判の波紋/裏切られた知識人
第四章 大躍進 史上最大の災厄
大躍進はなぜ起こったか/人民公社の誕生/不合理だらけの農業政策
虚偽の報告が飢餓を生んだ/失脚する毛沢東/「九・三〇事件」の打撃
第五章 世界史から見た文化大革命
学生たちを利用して権力奪取/文革の主役は軍隊だった/林彪失脚の真実
粛清の基本パターン/エスニック・クレンジングとしての文革
なぜモンゴルは分裂したのか/ウラーンフーの三つの「罪」
テュルク=モンゴル連合を恐れる/東トルキスタン人民革命党の粛清
「解放」という民族破壊/パンチェン・ラマの告発/輸出される革命
米中接近の内幕/文革はいかに総括されたか
第六章 新たな独裁者鄧小平
華国鋒を追い落とす/知識人たちへの弾圧/文革は清算されたか
「先富論」のトリック/反精神汚染キャンペーン/アフガニスタン侵攻という脅威
胡耀邦の民族政策/利用された靖国問題/文革世代からの「忠告」
天安門事件とゴルバチョフ訪中
第七章 習近平 引き継がれる独裁の系譜
改革開放が腐敗を促進した/習近平と文革/進む「民族の入れ替え」
香港の憂鬱/台湾は中国の一部ではない/爪を隠さなくなった膨張政策
「完璧な独裁」は世界を席巻するか?/中国システムの弱点
ご希望のデータがダウンロードできない場合や、著者インタビューのご依頼、その他の本の紹介に関するお問合せは、直接プロモーション部へご連絡ください。
雑誌・書籍の内容に関するご意見、書籍・記事・写真等の転載、朗読、二次利用などに関するお問合せ、その他については「文藝春秋へのお問合せ」をご覧ください。
※外部サイトに飛びます
感想を送る
本書をお読みになったご意見・ご感想をお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社ウェブサイト、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただく場合がございます。
※いただいた内容へのご返信は致しかねますのでご了承ください。
※ご意見・ご感想以外は、こちらから各部門にお送りください。