逆転の大中国史

ユーラシアの視点から

913 (税込)
発売日2019年03月08日
ジャンルノンフィクション
商品情報
書名(カナ) ギャクテンノダイチュウゴクシ ユーラシアノシテンカラ
ページ数 368ページ
判型・造本・装丁 文庫判
初版奥付日 2019年03月10日
ISBN 978-4-16-791252-9
Cコード 0195

中国の歴史を諸民族の視点から描きなおす

中華人民共和国「内モンゴル」で生まれ、北京で文化人類学を学んだ著者は、「漢民族」が世界の中心だという中華文明の価値観に、次第に違和感を覚える。日本に留学、梅棹忠夫氏に師事。ユーラシア草原を調査するうち、従来の常識とは全く違う、価値観の逆転した中国史が形成される。それは「中国四千年の歴史」という漢民族中心の一気通貫的な歴史観からの逆転である。ユーラシア草原に勃興した様々な民族こそが「中国史」の主役であり、漢人はそのなかのひとつに過ぎない。
従来、日本人は「遊牧民族たちは、豊かな中華を強奪する野蛮人である」と教えられてきた。しかし、現代の中国人がほ文明をひらいた漢民族の子孫であるというのは、実は幻想なのだ、と筆者は説く。
黄河に文明が花開いていたころ、北の草原にはまったく別個の独立した文明が存在した。北方の遊牧民と黄河の農耕民は対等の存在であり、漢人がシナを支配して「漢帝国」を称していた時代にすら、北方には別の国家が存在していた。漢人の国家が中国全土を支配していたことはなく、つねにいくつかの帝国が東ユーラシアに並立あるいは鼎立していた。その主役はスキタイ、匈奴、鮮卑、ウイグル、チベット、モンゴルといった周辺の遊牧民族である。我々が漢民族国家の代表、中国の代名詞と考える「唐」ですら、実は鮮卑の王朝である。いわゆる中華の文化が発展するのは、そうした周辺諸民族出身の王朝が世界に開かれた政策を取っていた時期であり、長城をめぐらし「壁の中に閉じこもる」のが習性の漢人によるものではないのだ。
現在の中国人は、こうした真実の歴史を覆い隠し、自分たち「漢民族」が世界の支配者であったという幻想にしがみつき、周辺民族を弾圧する。今の中国を解くキーワードは「コンプレックス」だ。正しい中国史を正視しない限り、中国は歴史に復讐されるだろう。

目次

「シナ=中国」と「ユーラシア東部」の国家変遷表
序章 中国の歴史を逆転してみる
第一章 「漢民族」とは何か
第二章 草原に文明は生まれた
第三章 「西のズキタイ 東の匈奴」とシナ道教
第四章 唐は「漢民族」の国家ではなかった
第五章 三つの定国が鼎立した時代
第六章 最後のユーラシア帝国、清
第七章 現在の中国は歴史に復讐される
あとがき
「文明の遊牧史観」序説 ー「文庫版あとがき」に変えてー
解説 遊牧の国から来た縦横無尽の文化人類学者 川勝平太

担当編集者より

遊牧民の雄であったモンゴル民族は現在、モンゴル共和国と、中国領の南(内)モンゴルに分断されている、と著者はいいます。その南モンゴルに生まれ、北京に学び、そして日本に。静岡大学の教授として教鞭をとり、各メディアでも積極的に発言しています。三つの言語に通じ、雄大なユーラシア史を語り、漢民族中心の歴史観を強要する中国は必ず「しっぺ返し」を食う、と痛快に警告。川勝平太・静岡県知事による解説も必読です。

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