筒美京平

大ヒットメーカーの秘密

935 (税込)
発売日2021年08月19日
ジャンルノンフィクション
商品情報
書名(カナ) ツツミキョウヘイ ダイヒットメーカーノヒミツ
ページ数 224ページ
判型・造本・装丁 新書判
初版奥付日 2021年08月20日
ISBN 978-4-16-661325-0
Cコード 0295

日本最大のヒットメーカーの真価と素顔

筒美のシングル売り上げは7560万枚で、2位の小室哲哉(7184万枚)を凌ぐ。作ったのは3000曲近い。名実ともに日本一のヒットメーカーだ。
 彼の作曲家としての凄さは、最新の音楽潮流をとりこんで、一般人にわかりやすい音楽として加工し続けたところにある。
 いしだあゆみ「ブルー・ライト・ヨコハマ」はロックだが和風で小唄調、太田裕美「木綿のハンカチーフ」はフォーク&ニューミュージック風、岩崎宏美「ロマンス」は流行りのディスコサウンド、ジュディ・オング「魅せられて」と庄野真代「飛んでイスタンブール」はエキゾチック。その時代、時代でのブームに乗っているし。さらにはその時流を読んで、ヒットしそうなものを仕掛けていたのである。
 ほかに誰もが知る曲としては、近藤真彦「スニーカーブルース」、小泉今日子「なんてたってアイドル」、「夜明のMEW」、松田聖子、南沙織、野口五郎、郷ひろみ、中山美穂、少年隊、小沢健二、サザエさん・・・。
 まあ、とにかくありとあらゆるヒット曲を書いた。
 さて、近田春夫氏は、じつは筒美を師匠とあおぎ、生前きわめて親しかった稀有の人物である。そして、多くの音楽シーンもよく知る。名連載「考えるヒット」の筆者として有名な近田氏が、筒美の魅力を腑分けしたら面白くないわけがない。
 近田氏による詳細な「筒美京平論」は、本書の骨子となる。
 もちろん、満を持して出すのであるから、それだけではない。筒美の私生活はほとんど知られていない。そのプライベートな側面を知る実弟・渡辺忠孝氏への近田氏によるインタビューによって、筒美の生立ちや音楽との歴史が明らかになる。そればかりか、筒美の曲を最も多く作詞した橋本淳氏、それから筒美楽曲のディーヴァともいうべき平山三紀(現・平山みき)氏への近田氏によるインタビューも収録した。
 まさに筒美京平をめぐる完全版ともいうべき本である。
 ファンならば手元に置きたくなるデータも巻末に付した。

目次

【第1部】 近田春夫による筒美京平論
第1章 開花前夜(1967~1971)
 不思議な作曲家/和製ポップスからグループサウンズへ/GSの中心にいた鈴木邦彦/ジャズとの化学融合/ビートルズの影響は受けなかった

第2章 王者への行程(1971~1975)
郷ひろみ「男の子女の子」の衝撃/様々な意味での「含羞」/ロングライフを可能にした発明/俺が京平さんにハマっちゃった理由/邪推が及ばないほどの音楽的な懐の深さ

第3章 快進撃(1976~1979)
 深まる京平さんとの付き合い/吉田拓郎の登場に抱いた危機感/太田裕美、庄野真代、桑名正博/アレンジャーの差配で生き残る/作曲は「鶴の恩返し」のイメージ

第4章 アイドルそしてジャニーズ(1980~1989)
 松田聖子と中森明菜に楽曲提供がない/松本伊代、早見優、河合奈保子、斉藤由貴/作詞家・秋元康の登場/ジャニーズ事務所との蜜月/圧倒的な「仮面舞踏会」

第5章 未解明の本質(1990~2020)
 時代は「工房」から「工場」へ/小室哲哉への王権交代/ヒップホップの席巻/小室哲哉はシステム、筒美京平はフィルター/スピッツに対するシンパシー

第6章 筒美京平なき今への考察
 ガラパゴス化したJポップ/専業作曲家の消滅/筒美が持つ晩年の潔さ/裕也、ジャニー、京平の死

【第2部】 近田春夫による対話篇
第7章 実弟・渡辺忠孝が見た兄の生涯 
アップライトのピアノとインチキの暖炉/朝から晩までピアノ三昧/初の作品「さんぽかいのうた」/東京音頭とテネシー・ワルツの共存/洋服と美食が大好き/ピーターソン、エヴァンス、ホーズ/あっという間に軽音楽部の親分に/曲作りの根底にあるジャズ/バカラックはものすごく重要な存在/スタジオに入ってきて、「何これ? 売れないね」/野口五郎とC-C-B/山口百恵からの依頼も断った/エルメスが自宅に採寸に/家庭人としての筒美京平
付録・渡辺忠孝が選ぶ10曲

第8章 盟友・橋本淳が明かす創作現場と素顔
筒美京平との出会い/作曲家すぎやまこういちとの日々/筒美京平、すぎやま宅のピアノを弾く/「青い瞳」で作詞家デビュー/最初のシングルヒット「バラ色の雲」/「真夏の出来事」の衝撃/曲作りに3分、アレンジに5、6時間/いちばん相性のいい作詞家は有馬三恵子/大好きだった平山三紀の声/「あんたのせいでこんな人生に」/格別な思い入れのあった「スワンの涙」/ぽっかりと開いた大きな穴
付録・橋本淳が選ぶ12曲

第9章 歌い手・平山みきの眼に映じた〝父〟の肖像
年に一度の食事会/キリスト教式の位牌に向かってさよなら/長靴を履いた胡散臭い輩/初対面で歌った「ブルー・ライト・ヨコハマ」/1年間、来る日も来る日も練習/デビュー曲と2枚目の「真夏の出来事」/ご褒美のアメリカ旅行/筒美京平と橋本淳の板挟み/平山三紀の声は「楽器だ」/お父さんのような存在/言い方は優しく、中身は厳しい/ロスでのレコーディング/『鬼が島』という転機/「冗談じゃない朝」と「貴方の暗い情熱」/3つの未発表曲

第10章 近田春夫が選ぶ10曲
 
付録・下井草秀が選ぶ10曲

筒美京平・各種データ

あとがき

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担当編集者より

筒美京平は日本歌謡曲史上、最大のヒットメーカーだ。記憶に残るあの曲この曲、まさに名曲の宝庫だ。筒美の素顔は秘密のベールに閉ざされていた。その秘密に分け入ったのが、生前親交があった音楽家の近田氏である。まずは時代を追って、筒美の音楽的な成熟を精緻に論じる。続けて、実弟、最も多く作詞した橋本淳、最も親しかった歌手・平山みきに聞き取りをした。孤高の天才の創作の秘密と私生活が、ここに初めて明かされた。

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