書名(カナ) | チュウゴクセンロウガイコウトタタカウ |
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ページ数 | 256ページ |
判型・造本・装丁 | 新書判 |
初版奥付日 | 2024年02月20日 |
ISBN | 978-4-16-661444-8 |
Cコード | 0295 |
櫻井よしこ氏絶賛!
「国益の前に立ちはだかる勢力と果敢に闘った、あっぱれな外交官の血風録」
かつて毛沢東は「政権は銃口から生まれる」との名言を残した。
中国共産党は「力」の信奉者であり、「民主」「平和」といった理念は通じない。
とりわけ習近平政権では、外交にかかわる党幹部が公式の席で日本を含む西側陣営を罵倒、攻撃することが常態化している。ときには軍事力をちらつかせて他国をおおっぴらに恫喝することさえある。
それに対して、日本政府は何ら手を打てずにいた。いわゆる「チャイナスクール」と呼ばれる親中派外交官らは、逆に中国におもねるような行動をしていたほどだ。
だが、2023年までオーストラリア大使を務めた山上信吾氏は、中国からの恫喝に敢然と立ち向かった。
オーストラリアといえば、もともと親中派政権が続き、中国との経済的結びつきも強かった。ところが2020年に新型コロナ発生源の調査をオーストラリア政府が求めたところ、中国側の態度は一変。ワインや牛肉、石炭などあらゆる豪州産品に制裁関税をかけ、中国市場から締め出したのだ。一方で、中国はオーストラリア国内で活発な情報工作活動を展開。オーストラリア政府を屈服させて、中国に隷属させようという作戦を繰り広げていた。
そうした中、山上大使は日米豪を結束させ、中国に対抗する安全保障枠組み(クアッド・日米豪印戦略対話)のために奔走する。
山上大使の活動は、中国から見ればまさに目の上のタンコブ。中国は山上大使にありとあらゆる攻撃を仕掛ける。発言の揚げ足取りや人格攻撃、いわゆる「歴史カード」を持ち出した牽制、さらには親中派ジャーナリストを使ってのネガティブキャンペーン……。
従来の日本の外交官なら、びびって萎縮してしまったかもしれない。
だが、山上大使は売られたケンカには「倍返し」で応じる。反撃の方針は、「冷静かつ客観的な視点からの反論で、オーストラリアの一般国民を味方につける」「相手(中国)と同じレベルの土俵には乗らない」。
どんな嫌がらせをされても屈しない剛毅な姿勢は次第に評価され、オーストラリア政府内に共感が広がっていく。
最後に、「国際社会で通用する人間であるために、どんな心がけをしておくべきか?」をわかりやすく提示してくれる。
政府だけでなく、民間レベルでも中国による圧力や恫喝にたじろいでしまう日本人が多い中、中国に負けないためのお手本ともいえる作品である。
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