| 書名(かな) | まひるのつきをおいかけて |
|---|---|
| ページ数 | 432ページ |
| 判型・造本・装丁 | 文庫判 |
| 初版奥付日 | 2007年05月10日 |
| ISBN | 978-4-16-772901-1 |
| Cコード | 0193 |
異母兄の研吾が、奈良で消息を絶った。
そう告げたのは、兄の恋人を名乗る女だった。静が会ったことがあるのは、たった二度。それでも「一緒に奈良へ行かない?」という誘いを、静は断れなかった。
会社員の静は、人づきあいが苦手で、旅に出る前はいつも憂鬱になる。東京駅のホームで待っていたのは、背が高く、コーヒーを何杯もおかわりし、何を聞いても淡々と答える女。兄を捜すのかと思えば、彼女は言う。「あなたは証人なの。ただ一緒にいてくれればいい」
兄はフリーライター。雑誌の取材で奈良に入ったまま、連絡が絶えたという。女は、兄が辿るはずだったコースの地図を手にしていた。3月、雨の橿原神宮、藤原京跡の野原、白壁の続く今井町、民宿の夕食、夜の明日香。地図の道を一日ずつたどるうちに、女の話には腑に落ちない点が増えていく。なぜ、疎遠だった私まで旅に誘ったのか。
歩くほどに奈良は美しくなり、隣を歩く女のことは分からなくなっていく。恩田陸が描く、大人の女ふたりのミステリーロードノベル。
一.時に臨みて作れる歌
二.心の著く所無き歌
三.後れたる人の歌
四.月を詠める歌
五.答ふる歌
六.作者いまだ詳らかならざる歌
解説・佐野史郎
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