担当編集者より

佐藤愛子さんも力をいれて書いたという本作。あまりの面白さにページをめくる手がとまりません。己の信念のもとに生きてきた７２歳の丈太郎。しかし突然６４歳の妻・信子が意識改革を打ち出します。「お父さんは、古いのよ」。
家庭に満足しつつも若い部下によろめく長男、仕事をもち意識が高く弁が立つ嫁、そして覇気のない小学生の孫。高齢者の離婚、女性の自立、家庭の崩壊という今日まで続く問題を鋭く乾いた筆致でユーモラスに描く問題作。単行本の発売時には「信子を守る会」まで発足したそうです。