| 書名(かな) | ここうのけつぞく |
|---|---|
| ページ数 | 464ページ |
| 判型・造本・装丁 | 文庫判 |
| 初版奥付日 | 2026年04月10日 |
| ISBN | 978-4-16-792495-9 |
| Cコード | 0193 |
【公安小説のトップランナー・濱嘉之の「幻の原点」がついに解禁】
元警察官が圧倒的熱量で描き出す、「ほぼ実話」の医療・経済サスペンス!
「病院には人が集まる。人が集まればカネが動く。カネが動けば、政治が絡み、警察が動く――」
数々の警察・公安小説を手掛けてきた濱嘉之氏が、作家デビュー前、警察官を辞する直前の46歳の時に「自分の人生の復習」として書き上げた幻の第一作。発表するつもりもなく、誰にも見せずに1000枚超の原稿を一気に書き上げたという、著者にとって最も個人的で熱量に満ちた「原点」が本作『孤高の血族』だ。
物語の舞台は東北、地方の名家である医療一族・池田家。その次男として生まれた利雄は、優秀な兄弟たちに囲まれ、強いコンプレックスを抱えながら育った。しかし、伯父の導きで渡ったアメリカ留学を機に、内視鏡手術の「ゴッドハンド(医学界の寵児)」として覚醒する。
帰国後、利雄は次第に医療の現場から経営へと軸足を移していく。長男が病に倒れたことを機に、彼は冷徹な手腕で親族たちを次々と追放し、病院の全権を掌握。政治家や不動産業者を取り込み、地方の一病院を、巨額のカネが動く巨大な医療コンツェルンへと変貌させていく。
しかし、増長する野心と傲慢さは、知らず知らずのうちに彼を裏社会や詐欺の罠へと引きずり込んでいく。権力の絶頂から、男はどこで道を違えたのか――。
本作の圧倒的な迫力は、著者の実体験に裏打ちされた生々しい描写にある。
病院で余った薬が現金化される「現金問屋」の暗躍、医療法人を隠れ蓑にした裏社会の浸透、そして病院経営に群がる政治家たち。
著者の親族の実態や、警察官、そして病院協会委員として見聞してきた医療とカネの裏面史が色濃く反映されており、著者自ら「ほぼ実話」と語るほどのリアリティに満ちている。利雄を裏の世界へと導く伯父・宗春など、強烈な個性を持つ登場人物たちも実在の人物がモデルだ。
「悪」の道に足を踏み入れた時、人はどうなるのか。その途中には、必ず止めようとしてくれる人がいる。本作は、一人の男の成り上がりと転落の軌跡を通し、「あの時、立ち止まれたかどうか?」で分かれる人間の業を深く問いかける。
欲にまみれた一族の中で、現場と生活を知る弁護士となった末妹・恵理子は、暴走する利雄にどう立ち向かうのか。
濱嘉之作品を愛読してきたファンはもちろん、骨太な人間ドラマや企業サスペンスを求めるすべての読者を魅了する、圧巻の長編小説である。
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