書名(カナ) | ホシュトハナニカ |
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ページ数 | 400ページ |
判型・造本・装丁 | 文庫判 |
初版奥付日 | 2013年10月20日 |
ISBN | 978-4-16-813002-1 |
Cコード | 0195 |
「私の生き方ないし考へ方は保守的であるが、自分を保守主義とは考へない。保守主義などといふものはありえない。保守派はその態度によつて人を納得させるべきであつて、イデオロギーによつて承服させるべきではない。」福田恆存が戦後の時流に抗して孤独のなかで掴んだ、「主義」ではなく「態度」としての保守。
時事的な論争家、文芸評論家、脚本家、演出家、シェイクスピア翻訳者など多くの顔を持つ福田恆存は、「保守論客」と位置づけられながらも、その「保守」の内実は、必ずしも十分に理解されてきたとは言い難い。福田恆存にとって「保守」とはいかなるものだったのか――本書は、その問いに迫るべく、気鋭の若手論客が編んだアンソロジーである。
本書の構成は、以下の通り、Ⅰ~Ⅴまで、年代順であると同時にテーマ別に構成されているが、福田恆存の思索自体が、問いに対する答えを一つずつ腑に落としながら、時代ごとに形成されたものにほかならないからである。
「Ⅰ 『私』の限界」〔九十九匹(政治)には回収できない一匹(個人)の孤独とその限界をみつめた論考〕。「Ⅱ 『私』を超えるもの」〔近代個人主義の限界で、エゴ(部分)を超えるもの(全体)へと開かれていった福田の論考〕。「Ⅲ 遅れてあること、見とほさないこと」〔近代=個人を超える「全体」を「伝統」として見出しながら、それを「主義」化できないものとして受容しようとした論考〕。「Ⅳ 近代化への抵抗」〔戦後を風靡した合理主義と近代主義に抵抗した論考〕。「Ⅴ 生活すること、附合ふこと、味はふこと」〔「生活感情」に基づき、主義ではない、生き方としての「保守」の在り方を示したエッセイ〕。
旧来の「保守」像と「福田恆存」像を刷新する本書は、今日、最良の「福田恆存入門」であると同時に「保守思想入門」である。
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