作品
筒井藩には隠し金八万両があるらしいと聞きつけた老中が、隠密を動かし我が物にと企む。偶さか平蔵の知る所となったのだが……。
船宿でふと行き合わせた近江のご隠居・伊兵衛の身のこなしの尋常でないことを見抜いた鬼平は、密かに身辺を探らせたのだが……。
市内に不審な火事騒ぎが頻発。忠吾と沢田が見回っていた時、小火騒ぎが。同僚の三浦源太郎も何故か現場にいたが様子が変だ……。
増屋の大番頭の八十吉には秘密にしていた過去があった。仇持ちだったのだ。その事を盗賊に知られた八十吉は……。
江戸の道場の後継者に浪人が決まった。その決定に門弟の不満が続出。不穏な空気に包まれた道場に異変が……。「後継ぎ」等四編。
辰蔵との試合で見事に勝った長八郎。突如何者かの襲撃で兄を失う。仇討ちを願い出た長八郎だったが……(坊主雨)。全四篇収録。
“相州屋”の押し込みで店に居た者は皆殺しに。火盗改メは手掛かりとなる謎の男の存在を探すが……(「蟻の一穴」)他、全四篇収録。
力士・荒海の幼馴染の市兵衛は盗賊の助人稼業をしている。昔の仲間の誘いを断ると相手は荒海を誘うと言い……(花相撲)。四話収録。
浅草は柳川藩邸の太郎稲荷は疱瘡除けの利益で名高い。藩は参詣の有料化を図るが、そこに犯行予告が届く……「初午」など四篇収録。
誰が呼んだか神明小僧。金持の屋敷から盗んだ小判を貧乏長屋にばら撒く盗賊と火盗改の過去の因縁とは……「神明小僧」など四篇収録。
梅雨の頃、お熊の店で倒れた病身の浪人。道場に現れた凄腕の剣客。平蔵を間に交錯した二人の因縁とは…「送り梅雨」など四篇収録。
出初式を控えて稽古に励む江戸の火消しが、梯子の上から怪しい浪人を目撃。その裏にうごめく陰謀とは……「火消しの誉れ」ほか四篇。
中間・喜作が故郷で浪人者に襲われた。その付近では奇妙な事件が相次ぎ、ある日川から内臓のない骸が上がる……。「人膽」ほか四篇。
仕出し弁当屋の「魚坂」。代替わりして商売が繁盛しだした。だが、隠居は人目を引くことを歓迎しなかった。「蛙の子」ほか四篇。
浅草郊外の寂れた道筋で男が殺された。界隈では渡世人たちが忽然と消える事件が頻発していた「浅茅ヶ原」ほか4篇。
江戸で立て続けに起こった辻斬り殺人。被害者の過去に共通のつながりがあることに鬼平たちは気がつくが。(野菊の剣)など4篇収録。
江戸のはずれ千住の寺に突如現れた“朝廷の薬師・お比呂様”。病に伏した鬼平も図らずもその功徳を受けたが……。「禁裏の宝」等4篇
落ちぶれた侍の少年・与吾郎は父を失い芝居小屋で働いていた。かつての父を知る男から、押込みに誘われるが。「稲荷町」他4篇
天明の飢饉の10年後。江戸の町に張子の鬼面を被せられた死体が次々と見つかり、火盗改も捜査に乗り出した。「張子の鬼吉」他4篇
鬼平のもとで修行する身の若者は、詰まらぬ内勤に腐っていた。鬼平に外廻りの捜査を命じられ喜んで飛び出すが。「見習い」他全4篇
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