作品
神田の質屋跡取り息子・源次はさるお大名と遊女桐壺の一粒ダネ。ひょんなことから奥州六十万石館家の殿様に成り上がった源次の波瀾万丈、酒池肉林、抱腹絶倒の半生記。(駒田信二)
(上を参照)
漢字四文字の成句を世をうつす鏡となし、あることなきことこきまぜて、ひさし流、才気縦横、驚天動地の考察を展開。さらに、山藤画伯の諧謔溢れるイラストを添えておくる世相戯話。
東大コンプレックスから強度の言語障害におちいり、故郷・花石にUターンした青年と彼をやさしくむかえる愉快な人々。すべての受験生とかつての受験生たちに贈るオモシロ青春小説。
週刊文春好評連載。歩く書斎・自家製辞典など、自在独自の読書法を語りつつ、今日の知の風景を様々に描き出すユニークな読書読物
カモを探して西、東。うそ八百を並べたて、おだて倒して罠にかけ、色気で迫る時もある。電算機セールス四人組“さそりチーム”の活躍を、笑いと涙でつづる痛快連作小説。(川本三郎)
一九四二年、豪州バーメラ日本人収容所の生活は抱腹絶倒の連続だった。だが或る日、アメリカ軍負傷兵のブラスバンドに送られて、威風堂々と脱走することになった。(松田銑)
江戸文献を自在に駆使し、言葉遊びにふけりながら、東海道を旅する井上弥次と山藤喜多の道中記。「膝栗毛」をパロディ化して、うんちくを傾けた“ディスカバー東海道”文明論。
囮として拘置所入りした巡査は合牢の容疑者におのれの姿を見る。けれどお役目は果さねばならない。他に「君が代は」「帯勲車夫」「海老茶式部の母」「自転車お玉」を収める。(木村光一)
おれたち五人は黒手組。といっても、みんなぼうふらのような存在だが、時は幕末、将軍さまのピンチだとばかり、恐るべき大計画をひっさげて立ち上がったのだ。(百目鬼恭三郎)
浅草六区にすむ廃品回収業イサムとストリッパーの深く哀しい交情をえがく表題作のほかに「入歯の谷に灯ともす頃」「幻術師の妻」「天狗の鼻」「いけにえ」「仕出し屋マリア」を収めた。
他人を笑わせ、他人に笑われ、そのために死ぬほど絵草紙作者になりたいと願っている若旦那のありようを洒落のめした直木賞受賞作に加え、「江戸の夕立ち」を収録。(百目鬼恭三郎)
二十数年ぶりに訪れた孤児院で、あの夏の嵐の夜の悲しい出来事が鮮かに浮かんでくる名品「四十一番の少年」のほか、「汚点」「あくる朝の蝉」。半自伝風作品三篇。(百目鬼恭三郎)
著者の精神的故郷である仙台で、少年時代に妄想ばかりしていた男の思想的半自叙伝を、すべての権威を相対化してしまうパロディ意識で描いた愉快な青春小説。(長部日出雄)
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