作品
不動産ブームに沸くハワイ。ホノルルの教会を買収した不動産会社社長が他殺体で発見された。現地取材で不動産投資事情を描く長篇
浮気、交通事故、遺産相続など、平凡な生活を送っていた人間に突然不幸が起こる。「死者の嘘」「ヘソの緒」「普通列車の死」「鼓笛隊」「遇わなかった男」など七篇。(松村喜雄)
十二番ミドルホールでプレー中の税理士の頭にボールがあたり、意識不明のまま死亡した。ボールをぶつけた加害者は誰か。女子プロゴルフ界の内幕を描く戦慄の長篇。(渡辺淳一)
一九二六年十二月四日、推理作家アガサ・クリスティが自宅から失踪した。アガサの「自伝」の中では触れられぬまま、その死とともに葬り去られた事件の謎を独自の調査で追求する。
自動車解体場の車のトランクの中から炭化した焼死体が発見された。警視庁女性刑事・遠山怜子と嘱託医・北坂満平のコンビで複雑な事件を解決する長篇ミステリー。(柳田純一)
老舗の繊維問屋社長の心中事件で夫殺しを疑われた妻の心理を描く表題作の他、「残された車」「遠い秘密」「説得旅行」「女たちの証言」「濁流の魚」の五篇を収録する。(高松晃文)
ゴルフ場経営の利権にからむ殺人事件の容疑者は工事を請負った造園会社社長。逃亡中、彼の留守宅に死後切断と思われる彼の小指が速達小包で届く本格長篇推理。(権田萬治)
製薬会社社員は余暇に別府航路で船旅を取材中、謎の死に遭遇した。その航行中知合った女美術商との出会いから、事件は国際的謀略がからんだ意外な展開となる長篇推理。(権田萬治)
医科大学の寄付金詐欺殺人事件を題材に、医学界の暗部にメスを入れた表題作ほか、「凍え」「誰にも知られず」「無差別の恐怖」「独り旅」「懸賞」の五篇を収録。(深野治)
染織工芸界の巨匠が破門中の弟子の恨みを買って殺された。しかし実は生きていたのだ。医学の未知の世界に挑み、従来の推理小説の枠を打ち破った問題作。(権田萬治・鈴木敬)
閨閥をめぐって男たちの陰湿な暗闘と欲望がやがて殺人を引起こす表題作のほか、「一億円は安すぎる」「闇の演出」「帰路」「突然の朝」「崖ふちの真実」の五篇。(郷原宏)
生命保険は人の生命と引換えに結ばれる幻の“遠い約束”だ。加入者である庶民に向ける顔と巨大な金融資本として君臨する顔の二つを使い分ける生保業界を衝く話題の長篇。(権田萬治)
一見幸せな環境にありながら我が子を殺した人妻、独身のまま妊娠した女流陶芸家の二人を通して、現代人にひそむ愛憎の心理をさぐり、社会現象に取り組んだ本格推理。(徳田良仁)
巧みに仕組まれたアリバイ工作に挑戦する刑事の執念と焦燥を描く表題作ほか、「滑走路灯」「止まれメロス」「彼女の死を待つ」「遺書をもう一度」「便り」など、七篇。(白石一郎)
青春は幻影と喪失の季節なのかもしれない。娘から女へと変身してゆく、知的でしかもなお幼い女性の成長を、大らかな自然のなかに描き出した異色ミステリー。(深野治)
空中ロープウェイで展開される戦慄のラストシーンが圧巻の表題作ほか、「闇よ、やさしく」「ダイイング・メッセージ」「燃えがらの証」「回転扉がうごく」を収録する。(森村誠一)
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