作品
出初式を控えて稽古に励む江戸の火消しが、梯子の上から怪しい浪人を目撃。その裏にうごめく陰謀とは……「火消しの誉れ」ほか四篇。
仕出し弁当屋の「魚坂」。代替わりして商売が繁盛しだした。だが、隠居は人目を引くことを歓迎しなかった。「蛙の子」ほか四篇。
映画や演劇、万年筆に帽子、食べもの日記や酒のこと。洒脱なショート・エッセイを、著者直筆の絵とともに楽しめる、池波版絵日記
“不作の生大根”と罵られ、逆上して男を殺した女の数奇な運命と並行して、平蔵の活躍を描く。“乳房”が女を強くすると平蔵は言うが
浅草郊外の寂れた道筋で男が殺された。界隈では渡世人たちが忽然と消える事件が頻発していた「浅茅ヶ原」ほか4篇。
家老の子息を斬殺し、討手から身を隠して江戸に生きる片桐宗春。だが、人の情けと心意気に触れて暮らすうち、その心はある境地に。
江戸で立て続けに起こった辻斬り殺人。被害者の過去に共通のつながりがあることに鬼平たちは気がつくが。(野菊の剣)など4篇収録。
子供の頃から居眠りばかり、昼行燈と呼ばれた大石内蔵助。大らかな男が、人としてなすべきこと——仇討ちを果すまでの生涯を描く
江戸のはずれ千住の寺に突如現れた“朝廷の薬師・お比呂様”。病に伏した鬼平も図らずもその功徳を受けたが……。「禁裏の宝」等4篇
落ちぶれた侍の少年・与吾郎は父を失い芝居小屋で働いていた。かつての父を知る男から、押込みに誘われるが。「稲荷町」他4篇
天明の飢饉の10年後。江戸の町に張子の鬼面を被せられた死体が次々と見つかり、火盗改も捜査に乗り出した。「張子の鬼吉」他4篇
鬼平のもとで修行する身の若者は、詰まらぬ内勤に腐っていた。鬼平に外廻りの捜査を命じられ喜んで飛び出すが。「見習い」他全4篇
贈答品転売を営む「宝屋」の茂平が殺された。盗られたものは干物と大福帳。取り合わせに鬼平は首をひねる。「御家大事」他4篇
「はじめてフランスへ行った。フランス映画を40年も観てきた所為か、すこしも違和感がなかった」。フランス旅行記3作が1冊に
屋形船上で殺しが起こった。現場から逃げ出した浪人の素性は優しい男と聞き、鬼平の脳裏に疑念がよぎる。「あやかし」ほか4篇収録
池波正太郎は昭和43年に何を食べ、誰に会い、どんな映画や芝居を観ていたか? 下町の味をこよなく愛した作家の日記を公開
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