作品
小さな旅籠の女主人るいと恋人で剣の達人・神林東吾の活躍。「秋の七福神」「江戸の初春」「湯の宿」「桐の花散る」「水郷から来た女」「風鈴が切れた」など九篇を収める。
大川端の小さな宿“かわせみ”の女主人るいと与力の弟で若年ながら剣の達人東吾は、幼馴染の忍ぶ仲。江戸情緒あふれる人情捕物帳
洋画家の娘・美里は語学に堪能なツアー・コンダクター。平泉、東京、ニューヨークを舞台に、初恋に揺れる若い女心と、情事に倦みながらも嫉妬する中年女の心理を描く。(伊東昌輝)
夫の失踪、身辺に連続する殺人事件と、それらを結ぶ有田焼の航跡の謎。久仁子は、謎を求めてギリシャへ、そしてメキシコへ飛ぶ。壮大なスケールで展開するサスペンス・ロマン。
上野・池之端にある老舗の糸屋。その主人で組紐の名人だった父の死後に、残された美しい三姉妹が三様にたどる愛の人生を描いた表題作に、「女の休暇」「ぼんやり」の二短篇を併録。
東京下谷の名妓寿福は美人で気っぷがよくて涙もろい。だが娘の桐子は芸者になるのを嫌って大学へ行ってしまった。さびれゆく花柳界を舞台に、母と娘の愛情と心意気とを描く長篇。
夫の愛人に子供ができたため離婚した明子は四十歳にして歩み始めた第二の人生が、これほど華やいだものだとは思いもよらなかった
(上を参照)
「江戸の子守唄」「お役者松」「迷子石」「幼なじみ」「宵節句」「ほととぎす啼く」「七夕の客」「王子の滝」など、四季の風物を背景に、下町情緒ゆたかにくりひろげられる異色の捕物帳。
江戸大川端、柳橋のはずれにある宿屋“かわせみ”に泊る人たちをめぐる事件の数々。「初春の客」「花冷え」「卯の花匂う」「秋の螢」「倉の中」などの八篇で綴る捕物帳仕立ての連作。
若い女性の愛、ハイミスの恋、本妻と二号との関係、嫁と姑の確執など、さまざまな女の愛憎を鮮やかに描いた傑作短篇集。——「藍の季節」「白い毛糸」「本妻さん」「下町育ち」「意地悪」収録。
芸者で二号の母を持つ娘は自立を目指して優秀な女医となったが、いつしか母と同じ結果に。母娘二代に蔭の女の哀しさをつづる長篇
原宿のそばや「大正庵」のおかみさんは、太っ腹で、世話好きで涙もろい未亡人。この“肝っ玉かあさん”を中心に湧き起る日常のさざなみを、生活感あふれる描写で描き出す長篇。
無銘の古刀に偽銘を切り高値な刀剣に見せかける鏨師と、それを見破る鑑定家の闘いを描く直木賞受賞作など初期短篇集。「鏨師」「神楽師」「つんぼ」「狂言師」「狂言宗家」収録。(伊東昌輝)
千グラム足らずの未熟児が、幾度かの危機を克服し奇跡的に育った。嫁姑の葛藤をのりこえて、一つの小さな命を守る涙と感動の長篇
白は花嫁の色。女はこの日からさまざまな色に染められてゆく。禁じられた恋に身を灼いて、それぞれの人生をいろどってゆく母娘二代の哀しい愛と性を描き出した長篇ロマン。
異国にあって日本人であることを強烈に感じさせる女――戦中を生き抜いてきた重荷を背負った女の波乱に富んだ青春と、男によって変ってゆく“女の顔”をドラマチックに描くロマン。
※未刊行の書籍は、刊行予定が変更になる場合があります。