作品
霧の岩壁に二人の女性と三人の男が挑んだ。岩は彼らにどんな表情を見せるのか。「岩の顔」と「風が死んだ山」「新婚山行」「しごき」など、遭難した人間たちの異常心理を描く六篇。
イタリア一の大岩峰ドライチンネで事故死した名ガイド、フェデリコの遺児マリアを同時に愛した双生児の兄弟。ドライチンネ登攀に愛を賭けた三人のひたむきな生を見つめる長篇。
天気予報を正確にするには、富士山頂に観測所が必要だ、との信念に燃えて厳冬の山頂にこもる野中到と、命を賭けて夫と行をともにした夫人の行動と心情を感動的に描く。(山本健吉)
織田信長に上洛の先をこされた信玄は、焦慮の末ようやく天下号令の野望達成のため待望の西上の大軍を発する……。大長篇三千枚の完結篇。吉川英治賞受賞!
上杉謙信との川中島の決戦に勝利を収めた信玄は、後継者を四郎勝頼と決め、強敵北条氏を追いおとすべく小田原城進攻の軍を発する……吉川英治賞受賞
父を追放、甲斐の国主となった信玄は天下統一を夢みる(風の巻)。川中島合戦で上杉謙信に勝利(林の巻)。長男・義信の離反に苦しむ(火の巻)。西上の途中に没(山の巻)。(尾崎秀樹)
信濃に進出した信玄は、川中島における合戦で、上杉謙信に勝利を得る。
富士山頂に気象レーダーを建設するという大事業を軸に、それにまつわる錯綜した動きを追って現代社会のひろがりを捉え、さらに、山岳小説の興趣を深めた長篇。(尾崎秀樹)
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