作品
昭和二十九年春、戦後の歌壇に彗星のようにデビューした天才歌人・中城ふみ子。しかし、彼女の両乳房はすでに癌に侵されていた。三十一歳で夭折した女流歌人の奔放な愛の遍歴とその死。
直江は大学病院の講師まで勤めた優秀な外科医だったが、なぜか栄達を捨て個人病院にやってきた。そんな彼に看護婦の倫子は惹かれるが、彼には容易に人を近づけない影があった……。
名声が逆転した夫婦が葛藤の末にゆきついた“婦唱夫随”。鉄幹の偉大な“濡れ落葉”人生を通して夫婦のありようを問う長篇伝記小説
(上を参照)
男が妻子を捨て修子との結婚を決意した時、修子の中の何かが変わった。果して結婚だけが愛の究極の形なのか。経済的、精神的に自立して生きる女性にとって自由な愛とは何かを問う。
プロダクションを経営する宗形は、十五歳若い千秋をともないバリ島へ休暇の旅に出た。一年前からテレビの仕事に千秋は打ち込むようになり、二人の恋には疲れが見えた。(植村修介)
社長秘書の修子は三十過ぎの独身。広告会社のオーナーの遠野と愛人関係を楽しんでいたが、遠野と妻の不仲が思わぬ展開をもたらす
一見身勝手で不器用な明治の武人とそれに殉じた妻。“軍神”“烈婦”とたたえられた乃木夫妻の間に交錯した愛憎を描き、秘められた真実の声をさぐる伝記文学の傑作。(清原康正)
「軍神」「烈婦」と称えられた夫婦の間に秘められた真実の姿を探りつつ、現代へとつづく日本人の夫婦のありようを問う長篇伝記小説
若いOLである笙子と美貌の人妻の霞。二人のおんなのはざまに漂う中年の建築家・伊織の心のひだ。不倫の愛と悦楽をあまさず描いて大ベストセラーとなった評判作。(川西政明)
死に顔が美しいのはガス自殺と雪の中での凍死である。自殺の仕方に美をかぎとった表題作のほか、「浜益まで」「夜の声」「贈りもの」「優しみの罠」「形見分け」の五短篇を収録。
母の脳手術に立ち会う、主人公の死に対する諦観や死出の化粧をめぐるまわりの人びとの姿を描いた表題作のほか、「訪れ」「霙」、心臓移植の「ダブル・ハート」を収録。
ガンの早期発見からハゲの医学、宇宙医学まで、渡辺淳一が“本業”の医者にかえって、それぞれの分野の専門家たちに聞くからだの神秘。一億総半病人時代の今日、必読の対談集。
若いOL・笙子と美貌の人妻・霞との愛に溺れる、妻と別居中の建築家・伊織。愛とは、性とは、一夫一婦制とはと大胆に問う問題作
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