作品
関ヶ原合戦前夜、家康を挟撃せんと北国の雄・上杉と石田三成がむすんだ密約の行方を追う歴史小説雄篇。他一篇を収める歴史小説集
六年前、筆頭家老が暗殺されたが下手人は不明、刀傷から「馬の骨」なる秘太刀と判明した。その剣を伝授されたとされる剣客は誰か
名もない市井の人々の、日々の歓喜と悲哀を、キメ細やかに曇りない眼でとらえた明澄な人生絵図三十六篇。うち七篇は単行本未収録
北国の小藩・海坂、清流と小立に囲まれた組屋敷、一人の少年藩士が成長する姿を描く「蝉しぐれ」と、朋友相喰む熾烈な覇権劇「風の果て」
闇とほのかな光の中で語られる、愛憎と葛藤、独自の色彩でえがかれた人生絵図。「冬の潮」「暁のひかり」など初期市井小説三十篇
家督をゆずり隠居の身となった清左衛門の日記「残日録」。悔いと寂寥感にさいなまれつつ、なお命をいとおしみ、力尽くす男の残された日々の輝きを描き共感をよぶ連作長篇。(丸元淑生)
国を出奔し食いつめた青江又八郎は口入れ屋の周旋で用心棒稼業をはじめる。趣向ゆたかな剣客物語の名品、一部二部を一巻集成する
初期士道小説名品の数々を網羅。直木賞受賞作「暗殺の年輪」をはじめ、この作家独自の藤沢調ともいうべき色彩は、ここにはじまる
人物描出の巧み。清洌・多彩な筆に加えた一刷けのユーモア。剣客小説の金字塔というべき「隠し剣」に、「たそがれ清兵衛」を併録する
小説づくりの名工の手になる、ゆるがざる小説世界。これこそ人生通の大人の物語。愛惜さそう忘れがたい情趣のすべてがここにある
藩中一、二を競い合う剣の遣い手が、奇しき運命の縁に結ばれて対峙する。男の闘いを緊密な構成と乾いた抒情で描きだす表題名品の他三篇。この作家、円熟期えりぬきの秀作集である。
清流と木立にかこまれた城下組屋敷。淡い恋、友情、そして忍苦。苛烈な運命に翻弄されながら成長してゆく少年藩士の姿をゆたかな光の中に描いて、愛惜をさそう傑作長篇。(秋山駿)
武家の妻の淡い恋ごころを帰らぬ燕に託してえがく名品「玄鳥」をはじめ、時代小説の第一人者であるこの作家の円熟期の傑作を四篇
小説の第一人者である著者が取材のこぼれ話から自作の背景、転機となった作品について吐露した随筆集。郷里の風景や人情などを綴る。
家督をゆずり隠居の身となった清左衛門の日記「残日録」。寂寥感にさいなまれつつ、命をいとおしみ力尽す男の、残された日々を描く
娘盛りを剣の道に生きたお以登にも、ひそかに想う相手がいた。手合せしてあえなく打ち負かされた孫四郎という部屋住みの剣士である。表題作のほか時代小説の佳品を精選。(桶谷秀昭)
藩中一、二を競い合う剣の遣い手二人が宿命でむすばれ対峙する。男の闘いを緊密な構成と乾いた抒情で描き出す表題の名品ほか三篇
清痩鶴のごとく住んだと評され、妻も子も持たぬまま逝った長塚節。旅と歌作にこわれやすい身体を捧げた短い生涯をくまなく描く、著者渾身の鎮魂の賦。吉川英治賞受賞作。(清水房雄)
木立と清流にめぐまれた組屋敷。淡い恋、友情、そして非運と忍苦。苛烈な運命に翻弄されつつ成長してゆく少年藩士を描く長篇傑作
軽輩の子・桑山又左衛門は家老職につくが、栄耀とはまた孤独な泥の道にほかならなかった。ある日、かつての同門野瀬市之丞から果し状が来る。運命の非情な饗宴を描く長篇。(皆川博子)
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