作品
七歳当時、諫早から長崎の爆心地を遠望し終戦を迎えた芥川賞作家が、戦後続々と刊行された有名無名兵士の戦記を読み、戦争を問う。
透徹した視点と瑞々しい感性、品格高き文章で文学界に新時代の到来を指し示しながら、志半ば四十二歳で夭折した天性の詩魂の全貌
九州諫早藩の砲術指南の家に生まれた十五歳の少女の多感な視点で、あわただしい時代の動きや藩士の日常を、ユーモラスにおっとりと描く歴史長篇。後日譚「花火」を併録。(松本道介)
異国での体験を基調に少年の眼で世界を眺めた三木卓氏の「鶸」。東北の一寒村に近代人の見失った民俗の中に、生と死の象徴を見出した森敦氏の「月山」ほか六篇。
小銃をかかえて草原を這いまわれば、草はナイフのように少年たちを刺し、時には優しく肌を愛撫する。無名の民衆である自衛隊員の生活をいきいきと描いた芥川賞受賞作。(丸山健二)
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