作品
酒、食、阿片、釣魚など、魅惑のテーマを精緻な文体で描き切った傑作短篇集が新装版でよみがえる。「玉、砕ける」など6篇を収録
戦場取材に疲れはてた男は森と河に慰めを見出し、釣り人となった。名エッセイスト在りし日の姿、珠玉の言葉で綴る、没後20年記念刊行
著者にとって青少年時代はとめどもない二日酔であった。そのブルー・マンデーの青春を生きたひとりの青年の自己形成のあとを追い、青春の陰影を詩情あふれる文体で定着させる。
「腹のことを考えない者は頭のことも考えぬ」との名言に導かれ、王侯の食卓からドン底の食事、はては人肉嗜食までの“食”の驚異を追い求め、表現し尽くした名著。(辻静雄)
東京オリンピック前後の猥雑至極な“世界のイナカ”の諸相を鮮やかに描くルポ。かつて「週刊朝日」に連載され、開高健ノンフィクションの傑作として名高かった作品の文庫化。
酒、食、阿片、釣、支那風呂など、長年の旅と探求がもたらした深沈たる一滴また一滴。表題作他、川端賞受賞作「玉、砕ける」「飽満の種子」「貝塚をつくる」「黄昏の力」「渚にて」を併録。(高橋英夫)
海の色、血の色、月の色——三つの宝石に托された三つの物語。作家の絶筆は、深々とした肉声と神秘的なまでの澄明さにみちている。「掌のなかの海」「玩物喪志」「一滴の光」収録。(佐伯彰一)
海の色と、血の色と、月明の色と。三つの宝石に託された三つの物語。同時代を疾駆した作家が死力を尽くしてつづった〈魂の自伝〉
アラスカを振り出しに北米大陸縦断のフィッシング大旅行。ヌシャガク河ではキング・サーモン釣りに陶酔し、オタワの運河では巨大な怪魚マスキーを仕留めて“奇跡の人”を演じる。
(上を参照)
「もっと遠く!」につづいて、メキシコから南米最南端のフエゴ島まで南アメリカ大陸を縦断し、あわせて五万キロ、九カ月の旅が完結。立ち現れる森羅万象を凝視し語り尽くす文明論。
芥川賞は遂に社会的な存在となった。五味、松本、安岡、吉行、小島、庄野、遠藤、石原、近藤、菊村、開高、大江と絢爛たる偉容を誇る現代日本文学の主流派作家群
腹のことを考えない人は頭のことも考えないという。王者の食事から人肉嗜食まで“食”の極限をきわめつくした話題の名エッセイ集
世界を股にかけて歩いた二人の作家が聞きかじってきた各国の断片的言語を、大胆にかつ気まぐれに解釈するユニークな辞典。二十数カ国語にわたる、豊富な体験によるエスプリ集。
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