作品
古い馴染みの女、お松と出会った同心・忠吾。しかしその数日後、お松は斬られ……。忠吾の勘が冴える「忘れ得ぬ女」など4篇収録
鮒釣りに興じる同心の小柳。そこに、小舟に乗って川底をまさぐる謎の男が。一体何を探しているのか? 「寒鮒千両」など四篇収録
昭和43年、鬼平がスタートした翌年に作家が記した365日の昼・夕・夜食と、出会った人々、観た映画や芝居、旅した街の記録
両国橋の大花火の夜、三河屋に賊が入った。火薬で錠前を吹き飛ばすという手口に、平蔵の記憶が蘇る。「花火師千助」など4篇収録
若い男と逢瀬を重ねる鍛冶屋仁兵衛の女房、お徳。そんな折、仁兵衛の作った錠前が立て続けに破られる。「あいびき」など4篇収録
師走も押し詰ったある夜、今川町仙台堀の油問屋“上総屋”から出火。火は火柱を上げて夜空を焦がした……。「荒神のお夏」他全四篇
“不作の生大根”と罵られ、逆上して男を殺した女の数奇な運命と並行して、平蔵の活躍を描く。“乳房”が女を強くすると平蔵は言うが
平蔵夫妻は表御番医師・井上立泉に招かれ、老舗料亭桔梗屋で、女蕎麦打ちのおそのに出会ったが……。「蕎麦切おその」他全四篇
呉服問屋の間取図と金蔵の合鍵を拾い帰ってしまった女武芸者・留伊に、兇賊どもの魔の手が忍び寄るのだが……。「妙音記」他全四篇
同心・松永弥四郎が見廻りに出ていた折り、下谷の路地裏で虫の息の盗人を見つけ、最期の言葉を聞くが……。「平松屋おみつ」他二篇
同心・細川峯太郎は非番の日に菩提所のある目黒へおもむくと、挙動不審の老人を目撃、尾行を始めた……。「二度ある事は」他三篇
盗めの三カ条の掟を子分たちが破ったと知った“夜兎の角右衛門”は、火盗改めの役宅へと名乗り出るのだが……。「白浪看板」他二篇
若年寄の一人、京極備中守高久に呼びつけられた長谷川平蔵は、配下の同心・青木助五郎のよからぬ噂を伝えられた。「孤雨」他全三篇
火盗改方同心・沢田小平次の幼馴染である井筒屋の宗兵衛の様子が何やら変だ。何者かに強請られているらしい。「じゃんこ」他全三篇
この言葉を胸に秘め、数奇な運命を辿るお松を評して平蔵は、「男にはない乳房が女を強くするのだ」……。鬼平犯科帳番外篇「乳房」
大滝の五郎蔵はおまさとともに、亡き両親の墓参りのため、故郷の秩父へ向うが、昔の手下の小森の与吉に出会う。「五月闇」他全三篇
日本橋の太物問屋“三河屋”に、かつて粂八らがいた飯富の勘八一味の残党が押し込みを計画。それを知った平蔵は……。「狗」他全三篇
最後のお盗めのため江戸へ向っていた老盗が持病により死んだ。最期を看取った岸井左馬之助は……。「雨乞い庄右衛門」他全三篇
お熊の茶店の真前にある弥勒寺の下男で、茂平という老爺は、お熊より年下だが、気のおけぬ仲だった……。「お熊と茂平」他全三篇
絵師・石田竹仙の家に転り込んだ男が今わの際に口走った言葉を頼りに平蔵以下火盗改メは探索を始めた……「五月雨坊主」他全三篇
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