作品
人の九十パーセントが病院で死んでいる。その末期医療のなんと粗末なことか——医師のこの痛切な反省が、日本にホスピスの理念をもたらした。生と死の核心に迫る心の書。(永六輔)
彼は涼しい面立ちをした「起こし名人」だった……。通信社の仮眠室を舞台に、眠りから文明の危機を鋭く抉り出した芥川賞受賞作他一篇。「自動起床装置」「迷い旅」収録。(村田喜代子)
イタリア人の夫、日本にいる父と母、フランスで知り合ったドイツ人の友達、様々な出会いと人間の生き様を描く珠玉のエッセイ12篇
ユーレイが小説を書いた? 三流詐欺師が写植技師と組み出版社に持ち込んだ謎の原稿。これが文壇の大事件に…。
失われたテクストの復元に勤しむ文献学者・嵯峨野修理(さがのしゅり)。紙切れ一枚も彼の手にかかれば謎の宝箱に早変わり。『図書館の魔女』著者による知的探索ミステリー、開幕!
短篇の名手が、深遠なカタルシスを紡ぎ出す。すべて「書くこと」をテーマに、さまざまな日常の忘れられない瞬間を描いた珠玉の十篇!
父が引き取った少年が、高見澤家に波紋を呼ぶ。三姉妹も母も心をかき乱されて——。現代最高の女性作家が贈る芳醇な恋愛小説。
収録作『手』が映画化。2022年9月16日公開。監督・松居大悟、出演・福永朱梨/金子大地ほか。 『人のセックスを笑うな』『論理と感性は相反しない』など、ビビットな文体とセンスで時代の空気感をすくい取る、山崎ナオコーラの中短編集。
女浄瑠璃、手習いの師匠、料理屋の女将など江戸の町を彩るキャリアウーマンたちの心模様を描く直木賞受賞作。「恋風」「男の八分」「後姿」「恋知らず」「恋忘れ草」他一篇収録。(藤田昌司)
雪の平泉、桜の鎌倉、紅葉のニューヨーク。変わる四季、美しい舞台を背景に、若い娘の純粋な恋と大人の女の成熟の愛が、咲き誇る
これは戦争だ――新型コロナウイルスという未知の脅威と対峙した医師や看護師が味わった筆舌に尽くせぬ恐怖と絶望、そして希望。現役医師・知念実希人が描く、真実の物語
いじめ、スクールカースト、コロナ……。思い通りにいかない毎日。それでも前を向く勇気を与えてくれる、お守りのような小説集。
幼馴染のベーシストの交代を条件にメジャーデビューを決めた葵。音楽の神はますます彼に愛を注ぎ――奪い始める。圧巻のバンド小説。
戦後のシベリア強制収容所で過酷な日々を過ごしながらも、家族や仲間を想い、生きる希望を持ち続けた山本幡男の生涯と夫婦愛を描く。
歴史に材を得て人間の生を見すえた力作。「三色旗」「コロリ」「動く牙」「洋船建造」収録。(曾根博義)
“歌に生き恋に生き”た世界的に名を馳せたオペラ歌手藤原義江。英国人の貿易商を父に、下関の琵琶芸者を母に持った義江の波瀾の人生を描いた直木賞受賞作。(田辺聖子)
元AV女優にして東大大学院修了の作家・鈴木涼美の、衝撃的デビュー中編。夜の街に立ち込める「死」を描き切る新世代の日本文学。
昭和五〇年、アメリカ雑誌の取材を受ける直前、昭和天皇が思い出していた情景とは。戦前から戦後にかけて、稀代の君主を巡る連作集。
貧困、基地、軍用地主……「沖縄の暗部」に踏み込み、知られざる本当の沖縄の姿をフィクションで抉り出す問題作!
松井まどか、高校2年生。優しさと気遣いの定型句に苛立ち、肉体から言葉を絞り出そうともがく魂を描く、圧巻のデビュー作。
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