作品
子ども向けの童話ではなく「大人が読む小説」という斬新な視点で訳された名作が、美しいカラーイラストと共によみがえる特別装丁本。
月岡(新潟)、指宿(鹿児島)、化野(京都)、宿根木(佐渡)――邂逅と不在が綾なす漂泊の果てに、男が辿りついた場所とは。九篇からなる藤沢周の本格小説集。(姜尚中)
四国遍路の帰路、冬の海に消えた父。家庭人として企業人として恵まれた人生ではなかったのか……人生の深遠が胸に迫る傑作長編。
大往生を遂げた男の通夜に集まった一族約三十人。親族らの記憶の中から永遠の時間が立ちあがる。芥川賞受賞作に加え「夜曲」を収録。
かつて日産に君臨した“天皇”塩路一郎。自動車労連会長にして、社長人事をも左右した男の正体に迫り、同社の企業体質を炙り出す。
日本で最初の近代工場の誕生には、彰義隊の負け戦が関わっていた。明治を支えた富岡には隠された幕軍側の哀しい事情があった。
ビール会社課長、明良。都議会議員の妻、篤子。TV報道ディレクター、謙一郎。東京で暮らす三人に思いも寄らぬ運命が。驚愕の長篇!
アルゼンチンの医学生エルネストは親友と南米縦断のバイク旅行へ。様々な経験をしながら成長する将来の革命家の原点を描いた青春編。
ポンペイの遺跡、猫めいた老婦人、白い紙の舟、姉妹がついた嘘、不在の人物の輪郭―消えゆく記憶の彼方から浮かび上がる六つの物語。
「イケメン貴公子と恋をしたい!」と願う月冴姫の前に妖怪が現れた。彼らの助けを借りながら、運命の恋に突き進む平安ファンタジー。
恋をしたら、人はどんな手紙を書くのでしょう? 作家、俳優、画家、音楽家、タレント、映画監督ら豪華執筆陣が放つ「殺し文句」!
「目に見える」愛、パワフルで無私な愛、アイドルに捧げる愛、そして悲劇的な愛。名手が放つ、切なさと爽快感いっぱいの直球六編!
名門デパートのエリート課長・津川は、職場では降格され、娘の万引きや妻の不倫と家庭も破綻寸前。人生最大の逆風にどう立ち向かう?
太平洋戦争末期、「彼」は人間の愚かしさと優しさを見つめている――涙と生きる智恵が満ちた六つの物語。解説・吉川晃司。
俳優や俳人、司会者として多才だった小沢昭一さんを偲び、ラジオの筋書作家を務めた著者が向島や蒲田など同氏の馴染みの場所を訪問。
養父との関係に苦しむ多感で早熟な少女。その怒りと哀しみと性を淡々と綴り、アダルトチルドレンの先駆けとなった自伝的小説。
歴史ある紡績会社に突如として勃発した社長対次期社長候補のお家騒動(表題作)はじめ、組織に生きる男たちの業を描いた佳品四篇。
コンビニのバイト歴十八年目の古倉恵子。夢の中でもレジを打ち誰よりも大きくお客様に声をかける…現代の実存を軽やかに問う話題作。
一人暮らしの老母を見舞いに来た海沿いの実家で激しい地震に見舞われ、ようやく逃れた主人公が考えたこと――表題作など十四編収録。
女性作家の前にあらわれた悪魔のような男。男に翻弄され、やがて破綻を迎えた彼女は、静養のために訪れた鎌倉で本を裁断していく。
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