作品
東京オリンピック前後の猥雑至極な“世界のイナカ”の諸相を鮮やかに描くルポ。かつて「週刊朝日」に連載され、開高健ノンフィクションの傑作として名高かった作品の文庫化。
世界有数の大都会江戸、お上から庶民まで共通の悩みは、大量のゴミの処理だった。「くくり猿」「瓜長者の野望」「苦笑仏」「春のうららの十万坪」「芝浦海戦記」他二篇収録。(縄田一男)
深刻ぶるのはよそうぜ、とカッコよく離婚した二人なのに、なぜか、元女房のアパートに住みついてしまった元亭主。男と女のふしぎな世界を味わい深い文体で描く。(尾崎秀樹)
何よりも映画を愛するおじさんが涙せんばかりに語るC・チャップリン、J・ディーン、G・クーパー……。男の映画、女の映画、成熟した大人の娯しみを語り下ろした名著。
ヒッチコック、ワイルダー、フェリーニ……。アカデミー賞の歴史、ギャング映画にみるハリウッドの推移。「裏窓」が「昼下りの情事」が「道」が、あの語り口で鮮やかによみがえる。
A・ドロン、R・テイラー、T・パワーら美男スターの悩みと哀しみ。「旅情」「終着駅」「シェーン」など映画に見る別離。ビスコンティ、ベルイマンの美学。(長部日出雄)
犯罪のベテランたちの哀しくもおかしな振舞いをお目にさらし世間さまを大変お騒がせいたしました。爆発的ベストセラーに気を良くして、また懲りずに戻ってまいりました。(山田詠美)
東京で育ち、東京を描いた、「東京の作家」吉行淳之介。終戦の混乱からバブルの時代まで、鮮烈にこの大都会を描いた短篇やエッセイを収録する、魅力のアンソロジー。山本容朗編集。
ムカツク毎日にクレーマー増加中。そして、ムロイのクレーマー歴はとても長いのだった。放置自転車、ゴミ置場――果てなき闘いは続く
住民税の取りたて、カード会社の支払いの催促……。たまった借金は雪ダルマ式に増える一方。それでも女王様の浪費癖は止まらない
「これはモネではなくピカソ」と見分けるハトの脳はどんな仕組みなのか? 知性は、言葉は、心ははたしてヒトだけのものなのか?
近代医学を伝え、シーボルト事件を起こした人物としてではなく、植物学から捉え直すシーボルト像に、二世紀を経て先駆性を見る
議員の殴打事件あり、議場に汚物を投げる傍聴人あり――戦前の議会も波瀾万丈だった。「事故録」「守衛長報告」が描く舞台裏のドラマ
一ミクロンの千分の一の世界に広がる夢の技術。カーボンナノチューブを発見したのは日本人だが、米国は国を挙げて追いかけてくる
一度はまたぎをやめた半蔵だったが、藩命を帯びて再び「穴もたず」の熊に立ち向かう。またぎとしての自尊心をかけた猟が始まった
96年4月、フォード傘下に入ったマツダ。日本人社員の運命は激変する。外資進出の時代に、いかに働くべきかを考えさせる手記
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