作品紹介

伝説のフォトジャーナリスト最後の3年間。20歳の時、51歳のフォトジャーナリスト、ユージン・スミスと出会ったアイリーン・美緒子・スプレイグ。二人は、チッソの工場排水が引き起こす未曾有の公害に苦しむ水俣を目指した――。取材開始から十年。近代化の傷と、再生を勝ち取った魂の闘いに迫る大河ノンフィクション。
<目次>序章 小さな声に導かれて(写真は小さな声にすぎない/ヒロシマ、ナガサキ、ミナマタ)第一章 アイリーンの生い立ち(曾祖父・岡崎久次郎/アメリカへ/富が人を不幸にする/魔性の祖母・桂子/徳富蘇峰と光之村/久次郎の死/父 ウォーレン・スプレイグ/アイリーンの誕生/自分は邪魔、いなければいい/スタンフォード大学へ 第二章 写真家ユージン・スミス(父の自殺/ニューヨークで母と闘う/妻カルメンとの出会い/戦場へ/サイパンで知った戦場の真実/レイテ島、そして硫黄島/沖縄で砲弾を浴びる/楽園への歩み/「ライフ」と母を失う) 第三章 ニューヨークでの出会い(灰色のロフト/運命の出会い/君がいなくなったら死ぬ/暗室の苦闘/元村和彦の来訪/親族の大歓待/石川武志との出会い)第四章 不知火の海(塩田の広大な跡地/憧れになった「会社行き」/冷酷な新しい支配者/朝鮮半島への進出と敗戦/水俣病の発見/針金で頭をえぐられる/想像を絶する苦しみ/工場排水が原因の可能性 熊本大学の発表/工場排水の停止を拒否/排水溝の移動で被害拡大/猫四〇〇号と御用学者たち/産業が止まったら高度成長はない/チッソの隣人愛で見舞金/産官学とメディアの結託/胎児性水俣病の発見/訴訟に踏み切った新潟水俣病の患者たち/十二年後、ようやく国が認める/本当の闘いが始まる/足元を見られた一任派/チッソの社長と人間的な直後の対決をしたい)第五章 水俣のユージンとアイリーン(遺影の小さな女の子/自主交流派、川本輝夫の登場/この世の常識にしたがって、まず話し合う/スバルのサンバーで取材を始める/若返ったユージン/自主交渉派の闘い/智子と母を撮る/ユージン、五井工場で襲われる/証拠の映像があっても不起訴/ジツコちゃんの苦悩が撮れない/ユージン、「ライフ」に手紙を送る/ジャーナリストは客観性に逃げるな/柱が引き倒される日)第六章 写真は小さな声である(すべては裁判で/法廷に響いた智子の声/補償をめぐる新たな闘い/チッソ社長嶋田の葛藤/写真展開催にこぎつける/ふたりの間に生まれた亀裂/金が水俣を変えた/大物プロデューサーの援助/新しい女性の影/写真集「MINAMATA」/ユージンのアリゾナ行きと智子の死/離婚、そしてユージンの死)第七章 撮る者と撮られる者(上村夫妻の複雑な思い/智子を休ませてほしい/新しい混乱/映画化で新たな展開に)終章 魂のゆくえ(チッソの社名変更と病名改正の要求/終わらない患者の分断/ユージンが見ていた未来)

担当編集者より
「女帝 小池百合子」で今年大宅賞受賞された石井さんの受賞後第一作。
深刻な内容ですが、高度経済成長の日本社会を体感しながらぐいぐいと物語に引き込まれていきます。
国も企業も、人命より利益優先。コロナ禍のいま、政府による無為無策のため、国民は国から棄てられようとしているという現実。人間の命の大切さを、心から祈るような気持ちでこのテーマに取り組んだ著者の熱い思いを感じてください。
目次
序章 小さな声に導かれて(写真は小さな声にすぎない/「ヒロシマ、ナガサキ、ミナマタ)
第一章 アイリーンの生い立ち(曾祖父・岡崎久次郎/アメリカへ/富が人を不幸にする/魔性の祖母・桂子/徳富蘇峰と「光之村」/久次郎の死/父 ウォーレン・スプレイグ/アイリーンの誕生/「自分は邪魔、いなければいい」/スタンフォード大学へ
第二章 写真家ユージン・スミス(父の自殺/ニューヨークで母と闘う/妻カルメンとの出会い/戦場へ/サイパンで知った戦場の真実/レイテ島、そして硫黄島/沖縄で砲弾を浴びる/楽園への歩み/「ライフ」と母を失う/キャロルとの出会い/姿を消したキャロル)
第三章 ニューヨークでの出会い(灰色のロフト/運命の出会い/「君がいなくなったら死ぬ」/暗室の苦闘/元村和彦の来訪/親族の大歓待/石川武志との出会い)
第四章 不知火の海(塩田の広大な跡地/憧れになった「会社行き」/冷酷な新しい支配者/朝鮮半島への進出と敗戦/水俣病の「発見」/「針金で頭をえぐられる」/想像を絶する苦しみ/「工場排水が原因の可能性」熊本大学の発表/工場排水の停止を拒否/排水溝の移動で被害拡大/「猫四〇〇号」と御用学者たち/「産業が止まったら高度成長はない」/チッソの「隣人愛」で見舞金/産官学とメディアの結託/胎児性水俣病の「発見」/訴訟に踏み切った新潟水俣病の患者たち/十二年後、ようやく国が認める/本当の闘いが始まる/足元を見られた一任派/「チッソの社長と人間的な直後の対決をしたい」)
第五章 水俣のユージンとアイリーン(遺影の小さな女の子/自主交流派、川本輝夫の登場/「この世の常識にしたがって、まず話し合う」/スバルのサンバーで取材を始める/若返ったユージン/自主交渉派の闘い/智子と母を撮る/ユージン、五井工場で襲われる/証拠の映像があっても不起訴/「ジツコちゃんの苦悩が撮れない」/ユージン、「ライフ」に手紙を送る/「ジャーナリストは客観性に逃げるな」/柱が引き倒される日)
第六章 写真は小さな声である(すべては裁判で/法廷に響いた智子の声/補償をめぐる新たな闘い/チッソ社長嶋田の葛藤/写真展開催にこぎつける/ふたりの間に生まれた亀裂/金が水俣を変えた/大物プロデューサーの援助/新しい女性の影/写真集「MINAMATA」/ユージンのアリゾナ行きと智子の死/離婚、そしてユージンの死)
第七章 撮る者と撮られる者(上村夫妻の複雑な思い/「智子を休ませてほしい」/新しい混乱/映画化で新たな展開に)
終章  魂のゆくえ(チッソの社名変更と病名改正の要求/終わらない患者の分断/ユージンが見ていた未来)
あとがき

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