ウォルター・アイザックソン(『スティーブ・ジョブズ』『コード・ブレーカー』著者)激賞!
「美しく、驚くべき若者による、美しく、驚くべき本だ。本書はあなたをインスパイアし、あなた自身と周りの人々の精神をより深く省みさせてくれるだろう」
ジョリーは自閉症。
ずっと、みんなとうまくやれなかった。
普通の小学校にも入れなかった。
でも彼は自分なりに世界と、人間と向き合った。
そして気づけば高校を卒業し、大学も出て、イギリスのオックスフォード大学院に進み、修士号を取って、研究者になった。
本書はそんなジョリー・フレミングが世界と人間をどう見て、どう考えて、どうつきあっているかを語る本だ。
「自閉症でない人が、自閉症について理解できるとは思えない。僕も、自閉症でない人たちのことがわからない。お互い一生懸命説明しても、『わからないよ』って肩をすくめるだけじゃないかな」
そう苦笑するジョリーは、立派な研究者になった今も、自閉症でない「普通」の人=「定型発達者」と同じ思考法をマスターしたわけではない。言葉の使い方は苦手だ。みんなの感情もよくわからない。毎日大変な苦労をしているし、周囲とうまくやっていくために精神エネルギーを使い果たしてしまうこともある。
だからジョリーは本書で自閉症の人たちを代弁しようとか、自閉症を克服できるようアドバイスしようとか、自閉症を一言で説明しようとか、そういうことはしていない。
ただ彼は、自閉症でない「普通」の人たちのためにつくられた世界で、自閉症の頭脳をもつ人がどうやって思考し、生きているのかを少しだけ見せてくれる。
われわれが「人間らしい」「普通」と思いこんでいる精神とちょっと違う精神や考え方がどんなものかをのぞかせてくれるのだ。
そこには意外な気づきや発見や、もしかしたらちょっとした救いがあるかもしれない。
われわれが行き詰まっているこの世界を軌道修正するための、ちょっとしたヒントもあるかもしれない。
ダイバーシティがあたりまえになった今だから読みたい一冊。
日本版のために、著者にオンラインインタビューを行い、本人の近況から、『自閉症の僕が飛びはねる理由』の東田直樹氏へのメッセージや、やまゆり園事件までを語る附章を特別収録。
1 診断「自閉症」
2 脳内空間
3 エネルギーと記憶
4 感情の隔たり
5 言葉の障壁
6 言葉が伝わらない
7 個性は選択
8 大切なこと
9 メッセージは一言、愛。
10 日本版附章「ジョリーは今」
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