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将軍の世紀 上巻

パクス・トクガワナを築いた家康の戦略から遊王・家斉の爛熟まで

価格:※各書店サイトで確認してください
発売日2023年04月26日
ジャンルノンフィクション

現代日本の礎を築いた徳川三百年の叡智

イスラーム研究の泰斗として知られる山内昌之東大名誉教授の新たなる挑戦。徳川幕府の通史がついに完結! 上巻は、家康の創業から、家斉の爛熟までを描く。家康の本質は、世界的に稀有な軍人政治家だったところにある。関ヶ原の戦いにおける冷酷な政治リアリズムによって形作られた「天下取りの大局観」は、天皇家を法度の内側へと追い込み、豊臣家を滅ぼすことで徳川の世を現出した。その強靭なシステムは、四代家綱時代の文治政治への転換、八代吉宗時代の享保の改革などを経て、十一代家斉の爛熟の時代、化政時代を生み出すまで続く。しかし、半世紀に及ぶ家斉の時代こそが、徳川の世の終わりの始まりだった。

目次

序 章 関ヶ原

⒈ 一つの国家
江戸時代の「朝廷と幕府」の関係を紐解き、「天皇と政府」の核心に迫る

⒉ 不思議な戦争 関ヶ原合戦 
戦場での臨機の決断力にこそ、稀有の軍人政治家・家康の真骨頂がある

⒊ 勝敗は兵家の常か
家康の「天下取りの大局観」を形作ったのは、関ヶ原における冷酷な政治リアリズムだった

第一章 家康・秀忠

⒈ 将軍宣下
将軍となった家康がこだわったのは、「朝廷の外部」に政権を作ることだった――

⒉ 公儀と大御所
息子に将軍職を譲った家康は、秀吉が失敗した「二元的君主制」を完成させる

⒊ 「三つの外国」と国境線
蝦夷・対馬・琉球から見える徳川幕府の「地政学的外交戦略」とは――

⒋ 豊臣の天皇
後陽成天皇が表明した〝譲位〟に反対する家康。心の内にはどんな思いがあったのか

⒌ 官女密通一件
朝廷内で公家と官女による乱倫が発覚し、後陽成帝は激怒。だが、これを機と見た家康は智略をめぐらせる

⒍ 父と子
徳川家康と秀忠、後陽成院と後水尾帝、細川藤孝と忠興と忠利。親子から見える「権力と統治」とは

⒎ 譲位暗闘
武家の意志は禁裏を超越するのか――。家康との根競べに屈した後陽成帝は、痛憤の涙を流した

⒏ 豊臣滅亡
水面下で家臣の忠誠を断ち、秀頼を追い込む――。大坂冬夏両陣は〝徳川の冷徹さ〟を物語る

⒐ 三つの法度
パクス・トクガワナを支えた法制を作ったのは、袈裟をまとった「徳川の書記官長」だった

⒑ 二代目の孤独
苛烈な大名統制にキリスト教弾圧。秀忠の非情な決断や発想の裏には何があったのか

⒒ 徳川の出頭人
秀忠から家光へ――父は子に将軍の座を移譲した。そして幕府の統治システムも大きく変わりつつあった

第二章 家光

⒈ 悪意と悲しみ
老中や大老さえも言葉を慎むような恐怖政治。三代・家光の治世には〝暗さ〟がつきまとう

⒉ 「庄屋仕立て」から公儀官僚制へ
血筋、家柄、官位、石高……。将軍家光は、辛辣な区分けで〝大名の序列〟を可視化していく

⒊ 島原の乱
苛政に苦しむキリシタンの蜂起が意味するものは、パクス・トクガワナの〝正統性への挑戦〟であった

⒋ 鎖国と 一 国平和主義
通俗的に想像される〝幕府の告知〟はなかった――徳川時代を象徴する外交政策「鎖国」の実態に迫る

第三章 家綱

⒈ 武装せる失業者と飢饉
武断政治から文治主義へ――。十一歳で将軍になった四代目・家綱が高く評される理由とは

⒉ 下馬将軍の「曲がった道」
家綱政権下、筆頭老中に躍り出た酒井忠清。「驕慢」「不忠」との悪評もあった男の実像とは――。

第四章 綱吉

⒈ 御成と檜重――消尽する将軍
五代将軍・綱吉が好んだ〝贈答文化〟は、幕府財政を破綻の危機にまで追い込んだが……

⒉ 制約されない権力者
儒学の理想に基づく仁政を願った五代将軍・綱吉は、〝新官僚集団〟を作ることで権力を掌握した

⒊ 綱吉と忠臣蔵――歴史の不条理
元禄十五年、赤穂事件が発生した。犯罪か、義挙か。幕府の議論は紛糾する。その時、綱吉が下した判断とは

第五章 家宣・家継

⒈ 新井白石の夢
在職四年で他界した六代家宣、僅か八歳で夭折した七代家継。二人に仕えた稀代の儒者・新井白石が描いた「国のかたち」とは?

第六章 吉宗

⒈ 「天下一」の将軍
徳川御三家の争いを制し、八代将軍となった吉宗。「継世ノ革命」の裏にあったのは、紀州藩の情報収集能力だった

⒉ 中興この時なり
武家の困窮をいかに解決するか――。名君・吉宗の改革は、その一点に尽きた

⒊ 享保改革と天一坊と庶民
享保改革を成し遂げた吉宗は、軍人政治家の曾祖父・家康から何を学んだのか

第七章 家重・家治

⒈ 「御不足の御方」と宝暦事件
「ろれつ回らず」「小便公方」……九代・家重の評判は悪い。心もとない後継者を案じた吉宗がとった行動とは

⒉ 田沼意次の「めでたい御代」
十代家治の時代は「田沼時代」と呼ばれる。時期区分で姓を使われる例外的幕閣が残した足跡とは

第八章 家斉

⒈ 松平定信は「運のよい人」か
天明大飢饉と浅間山噴火は田沼政治に終止符を打つ。権力を掌握したのは、才智に富む二十九歳の老中であった

⒉ 北方問題の開幕 いつの時代も国家浮沈の試練は国内不安と対外危機が結合して生まれる。それはロシアから来た――

⒊ 寛政改革の行き詰まり
(仮)太平の世に旗本御家人の劣化は進み、幕府の人材は払底していた。定信の人材育成策は成功したのか

⒋ 「みよさし」と王政復古の間
朝廷から幕府への大政委任はあったのか。いよいよ統治の正統性が揺らぎ始めた

⒌ 「本当の幕末」徳川幕府の終わりの始まり
徳川幕府を滅ぼした本質的な要因は、幕末の薩長勢力でも水戸藩の内訌でもない。――それは幕府の内部にあった

⒍ 通信と通商の国
最初に「鎖国」の扉を叩いたロシアが日本の開国に失敗したのはなぜか。そして最前線となった蝦夷地の開発を押しとどめたのは誰か

⒎ 江戸の北方領土問題――平時の武士と文化露寇
レザーノフは「武力による対日通商関係樹立」を決意し、樺太・南千島の日本の番屋・番所を襲撃。日本側は屈辱的敗北を喫する
     
⒏ フェートン号事件と「法外の横文字」――長崎警備体制の限界
日本人はイギリス人の仕掛ける最初の砲撃で敗走するだろう――。パクス・トクガワナの代償はあまりに大きかった

⒐ 大塩平八郎の乱
幕威の凋落をまざまざと示した大塩の乱。その影響で、各地で幕藩体制を否定する事件が多発していく

上巻参考文献

担当編集者より

NHK大河ドラマ「どうする家康」が話題になる中、家康がどうしたか、がわかる傑作が登場! 関ヶ原での軍人政治家としての家康の冴えは、カエサルに勝るとも劣らない。そこが、江戸幕府270年をパクス・トクガワナと呼ぶ所以でもある。しかし、どんなシステムも永遠ではない。さび付いてきたシステムにテコ入れをして、なんとか徳川の政治体制を維持しようとした吉宗の努力を見事に無駄にしたひ孫、家斉。彼の代に、幕府は終わりの始まりを迎えることになる。

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