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将軍の世紀 下巻

家慶の黒船来航から慶喜の大政奉還までわずか14年で徳川の世は瓦解した

価格:※各書店サイトで確認してください
発売日2023年04月26日
ジャンルノンフィクション

家慶最晩年の黒船来航。そこからわずか14年で幕府は瓦解を迎えた。

イスラーム研究の泰斗として知られる山内昌之東大名誉教授の新たなる挑戦。徳川幕府の通史がついに完結! 下巻は、黒船来航から大政奉還までの幕末を描く。嘉永六年(一八五三)、米国東インド艦隊司令官マシュー・ペリーが率いる四隻の黒船が浦賀沖に現れた。十二代家慶の最晩年である。以来、国内は海防と将軍継嗣問題で揉めに揉め続ける。騒動の中心にいたのは水戸家当主・徳川斉昭だった。声望ほどに実力が伴わない斉昭の言動に周囲は振り回され、その負の遺産が息子・慶喜の足を引っ張ることになる。関ヶ原から二百六十七年目にしてついに政権は徳川家の手を離れた。山内歴史学のもうひとつの到達点がここにある!

目次

第九章 家慶

⒈ 天保改革と内憂外患
清でアヘン戦争が進行する中、三大改革の掉尾を飾る天保の改革が始まる。老中・水野忠邦は家斉時代の緩み切った幕政を変えられたのか

⒉ 水野忠邦、禁じることが好きな人
芝居もダメ、色町もダメ、高価な食材や衣装もダメ……ダメダメ尽くしで江戸の町は衰微してゆく。そして上知令をきっかけに反水野陣営が立ち上がる

⒊ 逆説の政治家、「ああ烈公、烈公、烈公は……」
「賢君」として期待されて登場した斉昭だが、その声望ほどには力量、内実が伴わず、水戸藩は泥沼の派閥抗争に陥っていく

⒋ ペリー来航と阿部正弘
攘夷か、開国か――斉昭、春嶽の幕政関与が深まるにつれ、幕臣の間には井伊直弼の大老就任を望む声が高まってゆく

第十章 家定

⒈ 将軍家定は「凡庸中ノ極三等」か
家定は聡明で思いやり深い人物だったが、時代が彼に「暗愚」のレッテルを貼った。外国と交渉にあたる有能な幕吏にも状況主義と規範主義の乖離が広がっていく

⒉ 孝明天皇と日米修好通商条約
幕府が継嗣問題で二分する中、朝廷も一枚岩ではなかった。中堅公卿八十八人が突然参内した事件は、関白による指導体制を瓦解させた

⒊ 将軍家定と大老井伊直弼――条約調印・継嗣確定・君臣関係
斉昭最大の敵である井伊直弼がついに大老に就任。麻のごとく乱れた継嗣問題を、紀州慶福で決定する

⒋ 江戸城のいちばん長い日――不時登城
慶福継嗣に反対する尾水二藩主と斉昭、慶永は最後の反撃に出る。しかし、彼らは気が付いていなかった。最高権力者が誰であるかを……

⒌ 日本金貨流出の構造と責任
開港を進めた幕府の役人たちは皆、最優秀の人材だった。それなのにどうして外国為替にひそむ大問題を放置したのだろうか

第十一章 家茂

⒈ 戊午の密勅
密勅はなぜ水戸藩に下ったのだろうか。孝明天皇の誤算が、安政の大獄を招き寄せた。

⒉ 安政の大獄
次々と下される死罪、獄門、切腹……。常識を越えた厳刑は、水戸と長州に深い怨念を残した

⒊ 桜田門外の変
絶対権力者の首はあまりにもあっさりと落ちた。代わって歴史の表舞台に登場したのは島津久光の薩摩だった

⒋ 公武合体論の象徴――家茂と和宮
若年ながら英主の資質があった家茂。しかし、信頼した井伊直弼は横死し、後継の安藤信正までが坂下門外で襲撃される

⒌ 久光率兵上京と尊攘激派――有馬新七と真木和泉の挑戦
久光は西郷が思う以上に有能な政治家であった。しかし、その秩序意識は尊攘激派の時代感覚と乖離しはじめていた

⒍ 寺田屋事件と薩摩マキャベリズム
「あれは謀反をする奴ぢゃ」――久光の怒りは限界を越え、西郷は再び流罪に。残された激派が集結する寺田屋へ鎮撫使は向かう

⒎ 将軍後見職と政事総裁職――一橋慶喜と松平春嶽の政権掌握
世はすでに乱――そう見切った西郷を流罪にした久光は、いまだ幕政改革を唱えて江戸へと向かう。しかし、江戸で待ち受けていたのは……

⒏ 生麦事件の虚と実
開国論者であった久光の行列が、なぜ、せずともよかった異人斬りを引き起こしたのか。この頃、武市半平太の土佐藩が幕末史に登場する。

⒐ 将軍上洛から小笠原図書頭率兵上京へ
家光以来、二百二十九年ぶりに将軍として上洛した家茂だが、事態は好転しない。そこで老中・小笠原図書頭が兵を率いて上京、江戸幕府再生の最後の
機会だったが……

⒑ 八月十八日政変と参預会議
孝明天皇と朝彦親王によって薩摩と会津が手を結び、反長州クーデターが成功。過激派公卿七人は長州へと落ち、京都では新選組が血の雨を振らせた

⒒ 禁門の変から長州戦争へ
薩会への報復に燃える過激派を誰も押さえられない長州は、ついに激発。京へと攻め上る。しかし、都を守るのは流刑から復帰したあの男だった

⒓ 第一次長州戦争をめぐる幕府と薩摩藩
孝明天皇の強い意志で始まった長州征伐は、三家老の切腹のみで、戦闘を伴わないという何とも奇妙な結末で終わった。

⒔ 将軍家茂、最後の西上
将軍は「目に見える」存在であるべきか、それとも「目に見えない」ほうがよいか。幕閣が二分し、混乱を極める中、長州では過激派が再び政権を奪う

⒕ 家茂の死――「徳川氏、今日にして滅亡す」
何につけても真面目で、手を抜くことを知らない青年君主――家茂の死でいよいよ幕府は瓦解へと進み始める

第十二章 慶喜

⒈ 「将軍同様」とネジアゲの将軍
将家不可分か、将家分離か――なかなか将軍に就こうとしない慶喜は、長州再征でも態度を二転三転させる

⒉ 最後の将軍、最後の武家政権
譜代や親藩の支持もない中、最大の佐幕家だった孝明天皇が突如、崩御する。謀臣・原市之進も暗殺され、慶喜は追いつめられてゆく

⒊ 「船中八策」から大政奉還へ
江戸幕府二百七十年の歴史は、慶喜によって幕を下ろされた。家康の築き上げたパクス・トクガワナはここに終わりを告げた

あとがき

下巻 主要参考文献


担当編集者より

最後の将軍となった慶喜は、家茂が薨去した後、徳川宗家は継ぐが将軍職は継がないなどと、ずいぶんゴネた印象があり、松平春嶽が「ネジアゲの酒飲み」と言うように、なかなか飲まないくせに、それでもどうぞと勧めないと機嫌が悪くなる、嫌な奴だと思っていました。しかし、本書を読んで、慶喜もたいへんだったなあ、としみじみ感じました。父・斉昭のおかげで、とにかく江戸での評判が悪い。側近が次々と暗殺されますが、犯人は身内であるはずの水戸藩士や幕臣であるのですから、慶喜もやってられなかったでしょうね。幕末維新史の見方が変わりました。

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