直木賞作家・司馬遼太郎の創作活動はまず小説誌を中心にすすめられた。1961年に発表された11篇を収録。単行本未収録作2篇を含む
1961年の1月から10月までに発表された短篇11篇が収められています。うち「忍者四貫目の死」「弓張嶺の占師」の2篇が単行本未収録です。このころの作品群には、「飛び加藤」「果心居士の幻術」などのように歴史の舞台裏に暗躍した忍者たちを描いた作品があり、圧倒的な面白さと独特の味わいで読む者をうならせます。とりわけ異様な迫力と幻想的な雰囲気をもつ「果心居士の幻術」は、宮部みゆきさんもイチオシの小さな大傑作。司馬文学のもう一つの魅力です。(NY)
1923年、大阪府生まれ。産経新聞在職中の1960年に『梟の城』で第42回直木賞を受賞。1966年の『竜馬がゆく』『国盗り物語』での第14回菊池寛賞はじめ多くの賞を受賞。主な著書に『燃えよ剣』『坂の上の雲』『翔ぶが如く』『関ヶ原』『功名が辻』『菜の花の沖』など多数。1996年没。
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