『竜馬がゆく』の構想を胸に1961年11月から62年4月までに小説誌に発表された11篇を収録。単行本未収録作1篇を含む
1962年6月から、産経新聞夕刊に『竜馬がゆく』の連載がはじまります。本巻に収められた11篇は、61年11月から62年4月までに書かれたものですから、『竜馬』の資料集めや、その構想と並行してすすめられた仕事であったにちがいありません。「真説宮本武蔵」あたりから、時代小説から歴史小説へ、ひとりの人物を深く掘り下げようという気持が、司馬さんのなかでしだいに強くなってきたのではないか、と勝手な想像をめぐらせたくなります。それもまたこの全集の楽しみでしょう。(NY)
1923年、大阪府生まれ。産経新聞在職中の1960年に『梟の城』で第42回直木賞を受賞。1966年の『竜馬がゆく』『国盗り物語』での第14回菊池寛賞はじめ多くの賞を受賞。主な著書に『燃えよ剣』『坂の上の雲』『翔ぶが如く』『関ヶ原』『功名が辻』『菜の花の沖』など多数。1996年没。
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