『ロシア文学の教室』(奈倉有里)
電子書籍

ロシア文学の教室

価格:※各書店サイトで確認してください
発売日2024年05月17日
ジャンル小説
コード1666145700000000000H

「ロシア文学の教室」から小説の世界へワープ――異色の体験型・文学教室!

青春小説にして異色のロシア文学入門!


「この授業では、あなたという読者を主体とし、ロシア文学を素材として体験することによって、社会とは、愛とは何かを考えます」
山を思わせる初老の教授が、学生たちをいっぷう変わった「体験型」の授業へといざなう。

小説を読み出すと没頭して周りが見えなくなる湯浦葵(ゆうら・あおい)、
中性的でミステリアス、洞察力の光る新名翠(にいな・みどり)、発言に躊躇のない天才型の入谷陸(いりや・りく)。「ユーラ、ニーナ、イリヤ」と呼ばれる三人が参加する授業で取り上げられるのは、ゴーゴリ『ネフスキイ大通り』、ドストエフスキー『白夜』、トルストイ『復活』など才能が花開いた19世紀のロシア文学だ。

社会とはなにか、愛とはなにか?
この戦争の時代を考えるよすがをロシア文学者・翻訳者の著者が真摯に描く
「ロシア文学の教室」。

ーーーーーーーーーーーーーーーー
◎目次(シラバス)

第1講 大通りの幻
   ニコライ・ゴーゴリ『ネフスキイ大通り』
第2講 仄暗い森のなか
   アレクサンドル・プーシキン『盗賊の兄弟』と抒情詩
第3講 孤独な心のひらきかた
   フョードル・ドストエフスキー『白夜』
第4講 距離を越える声
   アレクサンドル・ゲルツェン『向こう岸から』
第5講 悪魔とロマンティック
   ミハイル・レーモンルトフ『悪魔』
第6講 布団から出たくない
   イワン・ゴンチャロフ『オブローモフ』
第7講 恋にめちゃくちゃ弱いニヒリスト
   イワン・ツルゲーネフ『父と子』
第8講 土埃に舞う問い
   ニコライ・ネクラ―ソフ『ロシヤは誰に住みよいか』
第9講 やり直しのないこの世界
   アントン・チェーホフ『初期短編集』
第10講 心の声の多声
    マクシム・ゴーリキー『どん底』
第11講 温室の夢
    フセーヴォロド・ガルシン「アッタレーア・プリンケプス」
第12講 よみがえるときまで
    レフ・トルストイ『復活』

目次

第1回 大通りの幻
   ニコライ・ゴーゴリ『ネフスキイ大通り』
第2回 仄暗い森のなか
   アレクサンドル・プーシキン『盗賊の兄弟』と抒情詩
第3回 孤独な心のひらきかた
   フョードル・ドストエフスキー『白夜』
第4回 距離を越える声
   アレクサンドル・ゲルツェン『向こう岸から』
第5回 悪魔とロマンティック
   ミハイル・レーモンルトフ『悪魔』
第6回 布団から出たくない
   イワン・ゴンチャロフ『オブローモフ』
第7回 恋にめちゃくちゃ弱いニヒリスト
   イワン・ツルゲーネフ『父と子』
第8回 土埃に舞う問い
   ニコライ・ネクラ―ソフ『ロシヤは誰に住みよいか』
第9回 やり直しのないこの世界
   アントン・チェーホフ『初期短編集』
第10回 心の声の多声
    マクシム・ゴーリキー『どん底』
第11回 温室の夢
    フセーヴォロド・ガルシン『紅い花』
第12回 よみがえるときまで
    レフ・トルストイ『復活』


【本の話🎙ポッドキャスト】

【5分で聴く♪文春新書】奈倉有里著『ロシア文学の教室』

ロシア文学というと、トルストイ、ドストエフスキーなど、重厚でとっつきにくいというイメージがあるかもしれません。しかし、新進気鋭のロシア文学者・奈倉有里さんの『ロシア文学の教室』はそんなイメージを覆します。軽快な青春小説のかたちでありながら、読み進むうちにロシア文学の深みに連れて行ってくれるという、初心者にもうってつけの作品に仕上がっているのです。舞台はウクライナ戦争が始まって間もない2022年春、都内の大学。授業が始まると、読者は学生たちとともに教室から19世紀のロシア文学の中へとワープし、その世界を「体験」します。ゴーゴリ『ネフスキイ大通り』、ドストエフスキー『白夜』、チェーホフの短編集、トルストイ『復活』――名作を通じて、社会とはなにか、愛とはなにか?という重いテーマに向き合う、真摯でチャーミングなストーリーの魅力を、奈倉有里さんが語ります。(聞き手:鳥嶋七実・文春新書編集部)

著者

奈倉 有里

1982 年東京都生まれ。ロシア文学研究者、翻訳者。ロシア国立ゴーリキー文学大学を日本人として初めて卒業。著書『夕暮れに夜明けの歌を』(イースト・プレス)で第 32 回紫式部文学賞受賞、『アレクサンドル・ブローク詩学と生涯』(未知谷)などで第 44 回サントリー学芸賞受賞。他の著書に『ことばの白地図を歩く』(創元社)、『文学キョーダイ!!』(逢坂冬馬との共著、文藝春秋)。訳書に『亜鉛の少年たち』(スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ著、岩波書店、日本翻訳家協会賞・翻訳特別賞受賞)、『赤い十字』(サーシャ・フィリペンコ著、集英社)ほか多数。

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