酒鬼薔薇事件の28年前、そっくりの事件が起こった。息子を無残に殺された母は地獄を生き、犯人は弁護士として社会復帰していた
「あいつをめちゃめちゃにしてやりたい」——。40年近くの年月を経ても、被害者はあの事件を引きずっていた。歳月は遺族たちを癒さない。そのことを私たちは肝に銘じておくべきだと思う。『ナツコ 沖縄密貿易の女王』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した著者の、司法を大きく変えた執念のルポルタージュ。解説・大澤孝征
1948年、大阪府生れ。ノンフィクション作家。『ナツコ沖縄密貿易の女王』で大宅壮一ノンフィクション賞と講談社ノンフィクション賞を受賞。社会問題を扱った『心にナイフをしのばせて』や、医療をテーマにした『看取り先生の遺言』など著作多数。認知症の取材にも長年、取り組み、『丹野智文笑顔で生きる』(丹野智文氏との共著)、『ゆかいな認知症』『なぜか笑顔になれる認知症介護』など関連書籍を多数執筆している。
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