いまやJR各社が手掛ける「クルーズトレイン」のなかでも、JR九州が運行する「クルーズトレインななつ星in九州」はいまだに予約が困難な人気豪華列車。「一度は乗ってみたい……」と思う読者も多いはず。本書は、鉄道・トラベルミステリーの第一人者である西村京太郎さんが、「ななつ星」に実際に乗車し、車内を隅々まで取材して書かれた、臨場感溢れる作品である。
警視庁副総監からの命令で、十津川警部は「ななつ星」へ乗り込む。乗客を装うために同伴した妻・直子は、豪華列車に声を弾ませるが、十津川はマークすべき人物が誰なのかさえも分からない。同乗するは、台湾からの旅行客、アメリカ人夫婦、気鋭の歴史学者、外務省の職員。やがて、列車最後部の7号車DXスイートに集まった彼らは、太平洋戦争末期の1945年にあったという日中両国のある「和平工作」について激しい議論を交わす。十津川は、彼らの目的が日中の歴史の真実を明かすことと知るが、ここに敵対する勢力が登場、思わぬ妨害工作で乗客たちは絶体絶命の危機に直面する!
2015年に単行本として刊行された本書には、西村さんの実際に乗車した「ななつ星」への感動と、戦後70年という節目にも関わらず対立を深める日中両国への危機感とが込められている。作中、熱く議論される歴史の断章は、鉄道ファンのみならず、幅広い読者にとっても興味深い内容となっている。
第一章 出発
第二章 ヤルタ会談
第三章 手紙
第四章 戦いの始まり
第五章 日本人は歴史を忘れ中国人は歴史を曲げる
第六章 勝利の秘策
第七章 歴史を守る
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