実人生と俳優業の原理は似ている――橋のたもとの恐ろしい狂人、淡い憧れを抱いた女先生、父の復員と死……幼年期から少年期の記憶の断片は演技の原点となり、やがて独自の表現へと昇華した。波乱の人生を駆け抜けた孤高の俳優が、特異な視点で自由自在に綴った初の自伝。付録に山下澄人との対談を収録。特別寄稿・山下智久、解説・池澤夏樹
「人は与えらえた役柄のなかで生きるしかない」
稀代の俳優、初の自伝!
【特別寄稿】山下智久(俳優)「努さんのこと」収録
【日経新聞「私の履歴書」で大反響!】
●狂人、女先生との同居、戦争体験
●俳優の原点…父の帰還と「ハダシの疾走」
●文学座→劇団「雲」→37歳でフリーに
●黒澤明、森繁久彌、三船敏郎、山田太一、寺山修司、伊丹十三…巨人たちとの出会い
●俳優人生の転機『ヘンリー四世』
●老いをどう迎えるか? etc.
山﨑の努
川の匂い
父の肩ごしに
女先生
空襲警報
黒い家
ハダシの疾走
父の死
メジロ
新聞、牛乳、ラッキョウ
納豆、勝手口
コッペパン
ぶらぶらだらだら
俳優志願
俳優養成所
どんぶらこ
おもしろいねえ
たかが芝居
映画出演
ヘタとダイコン
黒メガネ
やけど
丸太ん棒
あわただしい年
劇団「雲」
友
拍手
もやもや
自分の演技を
出産、キス
一人になって
演出家と
ヒー・イズ・マイ・フレンド
黒は白く
物忘れ、好きな役
なんという男だ
名なしの男
エンリコ
舞台に立つこと
理想の演技
パニック
最後の舞台
老い
あとがき
文庫版あとがき
特別付録対談 演技と小説が交わるところ
山下澄人(芥川賞作家)× 山﨑努
特別寄稿「努さんのこと」 山下智久(俳優)
解説 池澤夏樹(作家・詩人)
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