享保八年秋、飛鳥山の菊屋敷は、棟方新左衛門と久村りくの結納を祝う宴で賑わっていた。ところが石見道場に新左衛門と夫婦になる約定を交わしたという女が現れる。花火の房之助親分らが極秘に探索に乗り出すと、女は意外な人物の妻だった。
一方、二十一歳になる清之助は身の丈六尺三寸、鍛え上げられた躰をもつ若武者に成長していた。紀州和歌山を発ち、大和街道を行く清之助は、不逞の黒装束の一団に取り囲まれ、銃弾をうけ倒れてしまう――。
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