書名(カナ) | キキノセカイシ |
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ページ数 | 296ページ |
判型・造本・装丁 | 四六判 上製 上製カバー装 |
初版奥付日 | 2021年02月25日 |
ISBN | 978-4-16-391335-3 |
Cコード | 0098 |
破局はいつもすぐそこにある――。
新型ウイルスのパンデミックという事態を、世界中の誰が予期していただろうか。
しかし過去を見直せば、人類の歴史は文明の崩壊、強力な疫病、核戦争の脅威といった、破滅への曲がり角でいっぱいだった。
1億ダウンロードを誇る人気ポッドキャスト『ハードコア・ヒストリー』の語り手である著者は、古今東西の危機の時代を自在に往来し、人間と文明への疑問を投げかける。
大恐慌時代のアメリカや、軍隊国家時代のスパルタに生きた人は、平和で安心な時代の人よりも「タフ」だったのか?
紀元前1200年頃に青銅器文明を滅ぼしたのは、「海の民」の侵略か、それとも気候変動と干ばつだったのか?
史上空前の大帝国だったアッシリアが紀元前600年頃、あっという間に終焉を迎えた理由は何だったのか?
西ローマ帝国が「野蛮な」ゲルマン民族に滅ぼされた結果、文明は後退したのか、それともゲルマン人に引き継がれただけなのか?
14世紀のペストや、1918年のスペイン風邪のパンデミックが人類社会に及ぼした影響は、現代で再現されるのだろうか?
核開発競走やキューバ危機を経て、我々は核を制御する理性を身につけているのだろうか?
終末はどのように訪れるのか、恐ろしい時代は人間性をどう変えるのか。
ポッドキャストのパーソナリティならではの自由な語り口と、古今の資料に裏打ちされた意外なストーリーで「危機」という視点から再構成されるキャッチーな歴史読み物。コロナ後の世界の見方を変える一冊です。
序文 終末はいつもすぐそこに
第一章 厳しい時代が強い人間をつくるのか?
戦争や窮乏、疫病で苦労した世代の人はタフになり、平和な時代の人は軟弱になる? スパルタ人やメディア人が没落したのはタフでなくなったから? では現代の西洋人は? 危機の時代がもたらすものを考えてみよう
第二章 子どもたちの受難
歴史を通じて育児環境は向上してきた。鞭、幼児労働、性的虐待……昔の育児法を知るとぞっとする。だがそれは過去の歴史にどう影響したのか。虐待されて育った子どもが作った社会は、危険なものだったのだろうか?
第三章 青銅器文明崩壊の謎
人は自分の社会の終わりなど想像できないが、過去には様々な文明が盛衰を繰り返してきた。エジプト、ヒッタイト、ギリシャの青銅器文明が崩壊した「史上最大の謎」を追ってみよう。それは現代にも起こりうるのか?
第四章 アッシリアの罪と罰
強大な軍事力をもち、栄華を極めたアッシリア帝国の巨大都市ニネヴェはあっという間に陥落し、忘れ去られた。記録からは、あまりに暴虐なその支配が見えてくる。超大国が滅びる過程は、現代でも教訓となるだろうか
第五章 ローマと蛮族のめぐる因果
超先進巨大国家、ローマ帝国は「野蛮」なゲルマン人に滅亡へ追い込まれた。だが、やがてシャルルマーニュが開いた神聖ローマ帝国は「野蛮」なヴァイキングに悩まされることになる。歴史では因果がめぐることがある
第六章 パンデミックの序章
過去には、現代では想像もつかない疫病の大流行があった。西欧の人口の約半分が死んだ黒死病、短期間で一億人を殺したスペイン風邪。疫病が大きく変えた昔の社会を知ることは、パンデミックに揺れる世界に不可欠だ
第七章 生きるか死ぬかの核時代
人類は常に争ってきたが、核の登場で戦争は文明自体を滅ぼしかねないものになった。無差別爆撃の始まりから広島・長崎まではあっという間だった。冷戦とキューバ危機で核戦争を回避できたのは人間の徳の進歩なのか
第八章 地獄への道
大惨事をあえて起こしたい人はいない。それでも英独は無差別爆撃を応酬し、米国は原爆を投下してなお東京を空爆した。地獄への道は、善意で舗装されている。危機がいつもわれわれの中にあることを忘れてはいけない
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