作品紹介

2022年2月5日に急逝した著者の、読者からの熱烈な要望によって実現した未刊行小説集。
完結した小説としては著者最後の作品となった表題作をはじめ、著者の本領たる藤澤清造“歿後弟子”としての覚悟を扱った3篇を収録。
北町貫多30歳、地元に残された藤澤清造資料の調査に本腰を入れるため、東京の自室とは別に七尾に部屋を借りる(「廻雪出航」)。貫多31歳、七尾の部屋に清造の書簡を飾るため額装を依頼したが、思ってもいない仕上がりになる(「黄ばんだ手蹟」)。死の前年、53歳の貫多の姿を描く。ここ数年の自身を振り返り、“歿後弟子”の責を全うすべく新たなスタートを誓う(「蝙蝠か燕か」)。

担当編集者より
西村賢太さんが急逝されたのは昨年2月5日。
連載中だった『雨滴は続く』刊行、お別れの会などなど、担当編集として埋めがたい喪失感を抱えたまま流されるように過ぎた一年でした。作家の死を悼むさまざまな方々と接する日々、繰り返して胸に刻まれたのは、残された小説は出版されないのですか、という決して少なくない方からのお声でした。
本書『蝙蝠か燕か』の表題作は、文學界2021年11月号の巻頭を飾った中篇で、完結した小説としては最後の一篇です。西村作品については珍しく、直近の過去を扱ったもので、著者の分身たる<北町貫多>の2021年8月1日、つまり死のわずか半年前の姿までが描かれます。人生を棒に振って、師・藤澤清造の“歿後弟子道”にまい進してきた半生は、果たして師のためになっているのか――。人生の残り時間を意識し始めた作家の焦燥と、私小説に“訳の分からぬ片恋”を貫いた男の凄みとが、苦く重たく響きます。
併録の「廻雪出航」「黄ばんだ手蹟」ともども、生前に本人が真骨頂と自負した“清造もの”からなる、必読の未刊行小説集です。

















商品情報
書名(カナ) コウモリカツバメカ
ページ数 160ページ
判型・造本・装丁 四六判 上製 上製カバー装
初版奥付日 2023年02月05日
ISBN 978-4-16-391657-6
Cコード 0093

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