作品紹介

私の人生で、もっとも死に近づいていた――。自宅で脳梗塞で倒れた私は、入院、転院、リハビリ、帰宅、転倒からの骨折、そして再入院を繰り返す。車椅子生活となりながらも、幸い利き手は動くため、私はこの闘病記を書くことができるのだ――。84歳で死の間際から驚異の生還を果たした、約1年にわたる老作家、執念の記録。


作家の冷徹な目で執拗に記す
脳梗塞という悪魔に捕らわれた日々

最初のリハビリ、二度の骨折と手術……私は本当に治癒してゆくのだろうか?


これは夢か現実か?
●倒れた直後に見た〈高原の療養所〉の夢
●〈閣下〉、〈バッチリ天使〉、〈贋モリシゲ〉――病院で出会った奇妙な人々
●名画座のちらしを見て、急に涙があふれる
●おしっこについて
●リハビリ中の長嶋茂雄を見た!
●クリント・イーストウッドに大泉洋、入院中も欠かさず映画を

担当編集者より
2021年まで「週刊文春」で名物コラム「本音を申せば」を、23年もの長きにわたり執筆されていた小林信彦さん。当時、週刊文春でこのコラムを担当していた私が、お嬢さんから「父が脳梗塞で倒れた」というお電話を頂いたのは、2017年のGW中の旅行先でした。一時は連載の継続も危ぶまれたのですが、半年の中断を経て見事にカムバックを果たされました。そして復帰第1回目から始まったのが「生還」で、これはタイトル通りの小林さんの脳梗塞闘病記です。毎週原稿を頂戴しながら、ご自身の見たもの体験したものを全て作品として昇華する、そんな作家の執念と凄みを感じていました。この作品から、「脳梗塞のリアル」を是非感じて下さい。(担当KN)
目次
第一部

最初のリハビリ
第一章 天井しか見えない夜 
第二章 〈閣下〉と呼ばれる男 
第三章 有料の新聞ですが 
第四章 だんどり老人 
第五章 祖父と父のこと 
第六章 〈アキラメ〉を嚙みしめて 
第七章 五十二キロまでやせる 
第八章 バッチリ天使 
第九章 〈すべて転倒と見なす〉か? 
第十章 火災警報 


第二部
 
壊れる私
第十一章 かわき 
第十二章 小林という平凡な姓
第十三章 下町の家 
第十四章 オシッコをする 
第十五章 不幸な出逢い 
第十六章 鼻の美しさ 
第十七章 壊こわれる私 
第十八章 軍隊の匂いのする病院 
第十九章 〈コ・ボレーヌ〉のこと 
第二十章 出来の悪いコント風


第三部
 
リハビリ島奇譚
第二十一章 とりあえず、感じが良い
第二十二章 病院のクリスマス
第二十三章 一日のスケジュール 
第二十四章 午後のリハビリ
第二十五章 長嶋さんのリハビリ 
第二十六章 三船敏郎の思い出
第二十七章 さよならは三月三日
第二十八章 ゴールデン・ウィークのいわれ
第二十九章 左足の教え 
第三十章 左大腿骨の問題 

あとがき
文庫版のためのあとがき
商品情報
書名(カナ) セイカン
ページ数 208ページ
判型・造本・装丁 文庫判
初版奥付日 2022年02月10日
ISBN 978-4-16-791835-4
Cコード 0195

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