| 書名(かな) | けいしちょうかがくそうさかん なんじけんにかがくでいどんだおとこのごくひふぁいる |
|---|---|
| ページ数 | 320ページ |
| 判型・造本・装丁 | 文庫判 |
| 初版奥付日 | 2024年10月10日 |
| ISBN | 978-4-16-792289-4 |
| Cコード | 0195 |
「土谷に会ってきてくれませんか」
オウム真理教の幹部で、サリンの製造を担った土谷正実。逮捕後も黙秘を続ける土谷と向き合ったのは、警視庁の科学者・服藤恵三だった。
服藤は白紙を取り出し、押収した実験ノートから読み解いた化学反応式を、記憶を頼りに書き始める。
土谷は目を開け、式を見つめ、やがて身体を震わせた。5時間以上に及んだ2人の対面。その後、土谷はサリン製造について供述を始めた。
服藤は地下鉄サリン事件の当日、午前9時34分に現場から採取された液体からサリンを検出した人物でもある。だが、彼の仕事はそれだけではなかった。
和歌山カレー事件では、被害者の症状からヒ素を疑い、林眞須美宅の沓脱石付近に残された痕跡に着目する。
ルーシー・ブラックマン事件では、押収された大量の映像を調べ、薬物を使った犯罪の実態に迫る。
44人が亡くなった新宿歌舞伎町ビル火災では、防火扉が正常に閉まっていたら命を救えたのか、科学的な検証を行う。
東電OL殺人事件、世田谷一家4人殺害事件、名張毒ぶどう酒事件の再審請求――。
鑑定室で結果を出して終わるのではなく、自ら現場へ行き、刑事たちとともに事件を考える。やがて警察初の科学捜査官となった服藤は、科学を捜査に生かす新しい仕組みづくりにも取り組んでいく。
日本中を震撼させた重大事件の裏で、科学者は何を見つけ、何を考え、何を明らかにしてきたのか。
数々の難事件に挑んだ日々と、挫折を重ねながら仕事を貫いた一人の男の歩みを、自ら綴ったノンフィクション。
第1章 オウムの科学を解明せよ
【地下鉄サリン事件】
誰が、何のために/病院からの切迫した電話/実験ノート/3人だけの秘密/上九一色村へ/「土谷に会ってきてくれませんか」/刑事たちの戦い/麻原は何を目指したのか/科学捜査官への転身
第2章 憧れの科学捜査研究所へ
製薬会社から科捜研へ/挫折/毒物の専門家/ファイト!
第3章 真の科学捜査とは何か
【和歌山カレー事件】
新たな人生の出発/東電OL殺人事件/野方署管内イラン人殺人事件/警視庁清和寮爆破事件/広がりゆく仕事/真の科学捜査/ヒ素が残っているのはどこだ?/汚物まみれの捜査員/沓脱石周辺から発見したもの
第4章 続発する薬物犯罪
【ルーシー・ブラックマン事件】
再び難事件へ/科学は噓をつかない/アジ化ナトリウム簡易試験法を開発/トリカブト、気管支拡張剤/暴行ビデオテープの解析/被害者の映像で使用薬物が特定できるか/薬毒物使用事件捜査/管理職試験/全国からの事件相談
第5章 現場の捜査に科学を生かす
【歌舞伎町ビル火災】
新たな立場に/デジタル化の遅れを痛感/捜査支援/世田谷一家4人殺害事件/新宿歌舞伎町ビル火災/防火扉が閉まっていれば死は防げた/立件されたビル管理者
第6章 犯罪捜査支援室の初代室長となる
【東京駅コンビニ店長刺殺事件】
安楽死か殺人か/捜査現場に役立つ機材を/性犯罪事件を解決/東京駅コンビニ店長刺殺事件/ FBI とロンドン警視庁の捜査支援体制/警視庁犯罪捜査支援室
第7章 警察庁出向から副署長へ
【大阪幼児死体遺棄・殺人事件】
続々と〝新兵器〟を開発/振り込め詐欺の急増/インターネット犯罪との対決/警察庁で捜査支援を全国に展開/各府県警察の科学捜査に協力/ガス湯沸器事故のミステリー/人生最大の分岐点
第8章 生き甲斐を求めて
【名張毒ぶどう酒事件再審請求】
科学者の良心で難題に挑む/犯行に使われた農薬は別のものか/鍵は混入から分析までの時間/戻った組織に居場所を失う/主席鑑定官/モノサシ/そして再び警察庁へ/科学犯罪と科学捜査の今後~志を継ぐ者へ
あとがき



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