文学者と哲学者と聖者 吉満義彦コレクション 吉満義彦 若松英輔

1,540 (税込)
発売日2022年06月07日
ジャンルノンフィクション
商品情報
書名(カナ) ブンガクシャトテツガクシャトセイジャ ヨシミツヨシヒココレクション
ページ数 592ページ
判型・造本・装丁 文庫判
初版奥付日 2022年06月10日
ISBN 978-4-16-813098-4
Cコード 0195
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文学者と哲学者と聖者 吉満義彦コレクション 吉満義彦 若松英輔

1,540 (税込)
発売日2022年06月07日
ジャンルノンフィクション
商品情報
書名(カナ) ブンガクシャトテツガクシャトセイジャ ヨシミツヨシヒココレクション
ページ数 592ページ
判型・造本・装丁 文庫判
初版奥付日 2022年06月10日
ISBN 978-4-16-813098-4
Cコード 0195

日本最初期のカトリック哲学者の思想と生涯

病苦の中、信仰を深め、
神と共に生きた
哲学者のメッセージ

日本最初期のカトリック哲学者・吉満義彦。彼の精神的継承者たる若松英輔が精選した論考、随筆、詩の計三十六編を収録する。古代から現代に至るキリスト者の魂の系譜に学び、その精神を日本に植え、自ら使徒として生きんとした。神なき個人が跋扈する「近代以降」を批判、神と人間が共に生きた「中世」の日本における新たな創出を夢見た、吉満の烈しく清い魂が現代によみがえる。(解説・若松英輔)

吉満義彦(よしみつ・よしひこ)
1904(明治37)年ー1945(昭和20)年。鹿児島県徳之島生まれ。第一高等学校在学中に内村鑑三の聖書研究会に入り、また岩下壯一を知る。東京帝国大学文学部を卒業後、渡仏しジャック・マリタンに師事、「ネオ・トミズム(新トマス主義)」を学ぶ。帰国後は上智大学などで教鞭をとりながら、神学と哲学の研究に邁進し、多くの論文を執筆する。詩人でもあった。信濃町の聖フィリッポ寮の舎監を務め、その学識と人柄で遠藤周作ら若き学生達に大きな影響を与えた。

【目次】
はじめに  
第一章詩と愛と実存
  詩と愛と実存
   詩人の友に与える手紙  
  リルケにおける詩人の悲劇性  
   ドストエフスキー『悪霊』について  
   マリタン先生への手紙 
   キルケゴールの立場  
   天使  
   詩人と宿命
   文学者と哲学者と聖者
   民衆と天使
   詩とロゴス  
   文学とロゴス   
第二章神秘主義と二十世紀思想
  神秘主義と二十世紀思想  
   現代における神秘主義の問題  
   神秘主義の形而上学 
  「実在するもの」 
第三章哲学者の神
  哲学者の神
   デカルトよりトマスへの道  
   思想とは何か
   パスカルの心戦に因んで  
第四章中世的人間の理念
  中世的人間の理念  
   聖トマスとダンテ  
   復活と人類の哲学   
第五章文化と宗教の理念
  文化と宗教の理念  
  カトリシズムと現代人  
   近代超克の神学的根拠
   今日われわれはいかなる理由をもってキリスト教徒たり得るか?  
第六章私の改宗
  私の改宗  
  ペギーとベルグソン  
  天衣無縫の記  
  岩下先生の使徒的生涯  
  恩師永遠の面影  
第七章遺稿 我が祈り
  我が祈り  
  「わがホルテンシウス体験」  
  「ツアラツシュトラ審判」の秘義 
   哲学的・宗教的断想録
 編者解説 若松英輔  
 吉満義彦年譜 
 人名索引  

目次

はじめに  

第一章詩と愛と実存
  詩と愛と実存――序論に代えて―― 
   詩人の友に与える手紙  
  リルケにおける詩人の悲劇性――世紀の魂に寄する書簡――  
   ドストエフスキー『悪霊』について  
   マリタン先生への手紙――現代の歴史哲学的省察――  
   キルケゴールの立場  
   天使  
   詩人と宿命――リルケに因んで―― 
   文学者と哲学者と聖者――モラリテの問題をめぐって―― 
   民衆と天使――社会的日常性の問題――  
   詩とロゴス  
   文学とロゴス  
  
第二章神秘主義と二十世紀思想
  神秘主義と二十世紀思想  
   現代における神秘主義の問題  
   神秘主義の形而上学――宗教的実存の秘義――  
  「実在するもの」――聖母被昇天前夜の感想――  

第三章哲学者の神
  哲学者の神――デカルトとパスカル――  
   デカルトよりトマスへの道――一つの経験――  
   思想とは何かーーキルケゴールの場合――  
   パスカルの心戦に因んで――モーリアック氏への手紙――  

第四章中世的人間の理念
  中世的人間の理念  
   聖トマスとダンテ――『神曲』の神学について――  
   復活と人類の哲学  
  
第五章文化と宗教の理念
  文化と宗教の理念  
  カトリシズムと現代人  
   近代超克の神学的根拠――いかにして近代人は神を見いだすか?――  
   今日われわれはいかなる理由をもってキリスト教徒たり得るか?  

第六章私の改宗
  私の改宗  
  ペギーとベルグソン  
  天衣無縫の記  
  岩下先生の使徒的生涯  
  恩師永遠の面影  

第七章遺稿 我が祈り
  我が祈り  
  「わがホルテンシウス体験」
  ――恩寵と真理への最初の招き――(若き日よりの信仰の友中尾文策兄にささぐ)  
  「ツアラツシュトラ審判」の秘義――一つの夢の黙示――(デュモリン師にささぐ)  
   哲学的・宗教的断想録(覚書き)桜町病院にて二月五日――十日(一九四五)  

 編者解説 若松英輔  

 吉満義彦年譜 
 
 人名索引  

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担当編集者より


 疫病と戦争が続く先の見えない世界で、絶望をかみしめるほかないのか――前世紀、戦前から戦中にかけて、そのことを徹底的に考えたのが吉満義彦です。哲学者で、カトリックの信仰者でもありました。その文章は同時代人からも「難解」と言われ、戦後二度にわたり全集が編まれたものの、ながらく、手に取りやすい形では彼の本は流通しておりませんでした。その思想の継承者たる若松英輔氏により、吉満の真髄を現代に生きる人々に届けるべく、また後世に遺すべく編まれたのが本書です。ページを繰り、明朗とさえ言えるその心に触れてみてください。

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