小説を愛する現役高校生から“高校生直木賞”受賞作家への手紙。『宇喜多の捨て嫁』 (木下昌輝 著)

高校生直木賞

高校生直木賞

小説を愛する現役高校生から“高校生直木賞”受賞作家への手紙。『宇喜多の捨て嫁』 (木下昌輝 著)

第2回 高校生直木賞

 全国の高校生が集まって討議し、直近1年間の直木賞候補作から「今年の一作」を選ぶ“高校生直木賞”。
 昨年の第2回受賞作『宇喜多の捨て嫁』の著者である木下昌輝さんと、選考に参加した現役高校生が初対面するイベントがこのほど、東京・渋谷のHMV&BOOKS TOKYOで行われました。

『宇喜多の捨て嫁』 (木下昌輝 著)

 集まってくれた高校生は、読書を愛する自称「本の虫」の3人。

 普段は、小説について、友人と感想を言い合う機会がなかなか持てず、「高校生直木賞」に参加して、学校内に小説のことを語り合える仲間ができ、さらに、他校の生徒とも、交流できたことを喜んでいました。

渋谷のHMV&BOOKS TOKYOで行われたイベントの一コマ。
スクリーン左より等々力さん、乙部さん、近藤さん、右側に木下さん、伊藤さん。

 司会は高校生直木賞実行委員会・代表の伊藤氏貴さん。約50席が用意された会場は、立ち見もでるほど賑わう中、高校生からは、

「小説家として生計を立てるのは大変か?」

「小説家になると、もてるのは本当か?」

 などと、突っ込んだ質問が飛び出しました。

イベント後、記念撮影も。この後、オフショットとして、ポーズをとっての撮影も。

 木下さんは、ユーモアを交えながら、「作家というのは競争も激しく、厳しい仕事。もてたいという動機で、小説家を目指すなら止めた方がいいんじゃないか」など、本音で回答。

 イベント終了後には、静岡県立磐田南高校の近藤優奈さんが作った「てめェら、本読もうぜ!」と書かれた横断幕を持って、記念撮影する場面も。

 高校生3人から寄せられた感想文には、木下さんへの感謝、小説に対する情熱が込められていました。

近藤優奈さん │ 乙部修平さん │ 等々力萌夏さん

作家・木下昌輝さん

木下昌輝さん

1974年生まれ、奈良県出身。近畿大学理工学部建築学科卒業。ハウスメーカー勤務後、フリーライターとして関西を中心に活動。2012年「宇喜多の捨て嫁」で第92回オール讀物新人賞受賞。2014年受賞作に書き下ろしを加えて6篇からなるデビュー連作集『宇喜多の捨て嫁』を上梓。同作が第152回直木賞候補となり惜しくも受賞は逃したものの高い評価を得て、その後、高校生直木賞、歴史時代作家クラブ新人賞、舟橋聖一文学賞を連続受賞。2015年『人魚ノ肉』を上梓、第6回山田風太郎賞候補に。平成27年度咲くやこの花賞受賞。

【次ページ】選考に参加した近藤優奈さんより

宇喜多の捨て嫁木下昌輝

定価:847円(税込)発売日:2017年04月07日