作品
忘れえぬ記憶の中で、男は、そして女も、生きたい時がある。あれは夢だったのだろうか。大切な人々に思いを馳せる珠玉の短篇集。
仏語で「抱擁する」。それを教えてくれたのはあの人だった。魂が味わった静かな快哉。忘れえぬ記憶の中で男は、そして女は、生きる。
警官殺し容疑で逮捕された佐木隆三氏、給料日本一の社を辞した津本陽氏ほか渡辺淳一、田辺聖子、瀬戸内寂聴各氏ら19人の転機とは。
子供の頃に見て魂が震えた桜景色。初老の男はもう一度同じ場所へ辿り着けるのか? 現実生活の裂けめに覗く夢幻を切り取った短篇集
かつて読んだ物語に自分の体験が混ざり、別の物語になるという構造の10の短篇。漱石からニーチェまで古今の名作が二重に味わえる
60歳を前に、急に細かい記憶力がよくなった男を描く表題作ほか、幻想的な「海の中道」、映画より恐い「裏窓」など9つの短篇
学校の授業中に地震が起こらないように祈っている男に会った小説家は最初は半信半疑だったが。著者お得意のちょっと怖い短篇集
嫉妬、不倫、欲。心の奥に芽生えた疑念、後ろめたさが夢や予見を引き起こし、やがて死の影が。ドキリとさせる13のミステリ短篇集
南の島で中年男が出会う不思議な日本人の話や、ひょんな事から血のつながりを認識する異母兄弟の話など、短篇の名手が贈る小説集
オクラ、ヒチコック、野球、青春、イタリアの聖骸布まで。作家の尽きぬ好奇心から生まれた、容器で気儘でちょっと変化球なエッセイ
犯罪を犯し警察に追われる放蕩息子を案じて別れた妻の家を訪れた男が見たものは、睡眠薬の瓶と電気鋸、そして大きなダンボール箱二つ……。切れ味鋭いホラー小説集。(加納朋子)
冬日和、豆撒き、半夏生、待宵。十二の季語と共に紡がれる、平凡な人々の心の小景は、少し怖く、時にしんみりと感傷を誘う。短編集
親子、夫婦、恋人、兄弟。それらの人間関係の中で密かに芽生える疑念、猜疑心がいつの間にやら膨らんで……。心がヒヤリとする十三篇
大都会に生きる人々を主人公に、家族の絆、恋、日常の合間に抱く妄想など不可思議な人の心を、名手が極上の小品に仕上げた連作集
四十にしてマドモワゼル、ダジャレー夫人の恋人などなど、笑いによって人の心を開くユーモアの面白さを豊富な実例で紹介します!
ふと見た橋から解きほぐされていく記憶。節目に立つ人々を温かい視線で捉え、出会いと別れ、心理の曖昧さを鮮やかに描いた連作集
人生のある時、不意に甦る記憶。男の憂愁のうちに現れては消えてゆく執拗な音色。人間の意識の精緻さが仕掛ける過去へ十篇の旅
一夜かぎりで去っていった女が、六年後、突然電話をかけてきた。旅に連れていって欲しいという……。大人の恋愛を描く表題作と家族の機微を鋭くとらえた十二の連作短篇。(黒川千鶴)
※未刊行の書籍は、刊行予定が変更になる場合があります。